プロ度追求
人材育成の考え方
成長と挑戦を促す人材戦略
MUFGでは、 MUFG Wayに相応しい人的資本経営を実現するための基本的な考え方として「MUFG人事プリンシプル」を定めています。
詳細は方針/ガイドラインをご覧ください。
人材育成に関しては、「社員一人ひとりが知識や専門性のみならず、見識や倫理観を高められる教育機会を提供し、社員の自律的なキャリア形成を支援すると同時に、MUFG Wayを体現できる多様なプロフェッショナル人材を育成する」ことを基本理念としています。
MUFG Wayでは、社員の自己成長に貢献するため、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)を推進し、活き活きと働きがいを持って仕事のできる職場と成長機会を提供することを掲げています。MUFG Way のもと、人事運営の基本的な考え方である「MUFG人事プリンシプル」に基づき、「信頼、信用」・「プロフェッショナリズムとチームワーク」・「挑戦とスピード」を社員と共有する価値観として、グループ各社が人事運営方針を立案・遂行しています。
グローバル一体の人材マネジメント
グループ約68,500人(注)にのぼる海外採用社員に対しては、MUFGの一員として働きやすいよう、MUFGカルチャーを浸透させるための研修を充実化し、日本をはじめ採用国以外でのOJTを活性化させています。
また、グローバル共通のタレントマネジメントの枠組みの下、地域や機能を横断するコミッティーを開催し、タレントレビューやサクセッションプランニングを行っています。
これらの取り組みを継続的に強化してきた結果、マネジメントとして活躍する海外採用社員が増加し、銀行では女性1名を含む8名が執行役員となっています。このようなキャリアパスの拡大は、海外採用社員のモチベーション向上に資するとともに、国内採用社員にとっても良い刺激となり、グローバル人材育成の好循環を生んでいます。
- 銀行、証券、クルンシィ(アユタヤ銀行)、ダナモン銀行
変革を支える人材の確保・育成
高スキルな専門人材の必要性の高まり
専門人材の確保・育成
経営人材の育成:MUFG University
MUFGでは変革と挑戦をリードし、価値創造を担う次世代の経営人材の育成を、重要な経営課題の一つとしています。この課題に対応するため、2018年度にラインマネージャー以上を対象としたMUFG Universityを開講し、これまで700人以上の社員が受講しています(2018年度:196人、2019年度:220人、2020年度:192人、2021年度:171人、2022年度:193人)。
MUFG Universityでは、受講者層の異なる「次世代リーダーコース」と「マネジメントコース」の2 コースを設けています。「次世代リーダーコース」では、部店長クラスを対象に、外部の経営者や学識者との双方向型の講義による研修プログラムなどを重層的に実施しています。「マネジメントコース」では、副部店長・次長クラスを対象に、経営人材に求められる人間力や大局観を養うリベラルアーツ研修などを実施し、MUFGの経営人材プールの着実な拡充に努めています。
MUFG Universityのプログラム内容
【次世代リーダーコース】 対象:部店長クラス | ||
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プログラム名 | 狙い | |
① | MUFG新任執行役員研修 | 実践的な経営視座の獲得 |
② |
MUFG理事研修 |
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アセスメント&コーチング | コーチングにより、日々の行動変容を促す |
【マネジメントコース】 対象:副部店長・次長クラス | ||
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プログラム名 | 狙い | |
① | Global Leaders Forum | グローバルベースでリーダーシップを醸成 |
② | リベラルアーツセッション | リベラルアーツを通じて経営判断に必要な予見力を高める |
③ | デザイン・デジタル思考 | デザイン思考に触れるなかで経営者としての構想力を高める |
④ | コーチング力強化 | 部下の力を引き出すスキルなどを習得 |
グローバル人材の育成
MUFGは、世界50以上の国でビジネスを展開しており、全社員のうち、約57%が海外採用社員で占められています(2023年3月末時点)。DEI推進のもと、多様なプロフェッショナルを採用・育成するために「MUFGで働きたい」と思われるよう、国内外に対して企業ブランド醸成を図っています。
MUFGでは、タイトルマネジメント、評価・報酬決定プロセス、人事システム等を、マーケットスタンダードかつグローバルで共通の人事プラットフォームにて運営することで、社員のさらなる活躍の機会を拡大しています。
また、多様なバックグラウンドを持つ社員の加入が進むなか、階層別のグローバル研修により、MUFGカルチャーの浸透、意識の統一も行っています。例えば、グローバルトップタレント向け研修Global Leaders Forumでは、グループが事業を展開する、異なる国・地域のさまざまな経験を持つ参加者に対し、リーダーとして必要な知識や、グローバル視点での考え方や見識を深める研修を行っています。また、実務者クラスを対象にしたThree-month Intensive Programでは、海外拠点の社員が3ヵ月間にわたり他地域部署への出張形式のOJTに参加します。本プログラムは、参加する社員の育成のみならず、受け入れ地の社員のグローバル・マインドセット醸成にも繋がっています。
こうした取り組みは、海外採用社員のモチベーション向上に資すると同時に、人材プールを拡充させることで社内の競争を促進し、より強い組織の実現に繋がる好循環を生み出しています。結果、マネジメントとして活躍する海外採用社員の数は増加しており、銀行では、女性1名を含めた計8名が執行役員に就任しています(2023年3月末時点)。
デジタル人材の育成:
全社員向けeラーニング、階層別のデジタルセッション、中核人材育成プログラム等
デジタル人材の育成プログラム(銀行)
事業環境の変化を先取りした戦略的な役職員への投資
- 認定制度・研修機会提供を通じて、チャレンジ意欲を刺激
- デジタル・グローバルには引き続き注力
- 上司・部下双方の成長へと繋がる時間へも投資
- 銀行は、自己啓発やリスキルなどの変革・挑戦への取り組みを後押しするため、1人当たり最大10万円の変革・挑戦支援金を支給
教育研修関連費用 | 教育研修費約34.8億円(うちデジタル研修費約6.8億円)(注) |
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デジタルスキル認定 | ゴールドスキル認定者1,791名(2022年度実績) |
スマートワーク関連投資(今中計期間中) |
45億円 |
社内コーチング、1on1ガイドブック | 役員・社員の階層別のコーチング 上司・部下による30分/月のコミュニケーション |
MUFG Analyst Program | 新卒者(欧米)向けのトレーニングプログラム 延べ参加人数380人(累計) |
- 銀行、信託、MUMSSの実績、合算値
- 教育研修費の他、留学・社外トレーニーの人件費、採用関連費用などを含む。福利厚生関連費用は含まない
- 持株、銀行、信託、MUMSSの実績、合算値
MUFGグループ各社の研修制度
■三菱UFJ銀行
求める人材像を『「人間力」+「スキル・専門性」⇒「成果・貢献」』(人間力をベースに、プロとしてのスキル・専門性を活かして中長期的に高い成果・貢献を実現できる人材)と定義しています。「人間力」を伸ばす部門横断的な階層別研修、「スキル・専門性」の習得を目的とした部門ごとのスキル研修に加え、自己啓発支援制度も豊富なメニューを用意し、それぞれの成長ステージに応じた自律的な学びの場を提供しています。
また、日々の職務経験をより良いものにするため、職場内での人材育成環境整備も行っています。「質×量」ともに上司・部下間のコミュニケーションを活性化させることを企図した「1on1ガイドブック」「キャリア面談ガイドブック」の展開、若手育成の為の指導担当者制度およびメンタリング制度の拡充など、「人を育てる風土」作り、組織強化を行っています。
■三菱UFJ信託銀行
■三菱UFJモルガン・スタンレー証券
■三菱UFJニコス
キャッシュレス化等の社会の変化に「挑戦」し、自ら「成長」し続ける人材を育成するため、「OJTの重視」「自律的成長の支援」を柱に、ジョブローテーションや、職場での業務遂行を通じて成長を促すOJT、キャリア形成支援、階層別研修や自己啓発支援を実施しています。
具体的に、OJTは、若手・中堅社員向けにOJT担当者を任命し、日常業務を遂行する過程で教え教わりながら、ともに学び、ともに成長することをめざしています。また、階層別研修では、各階層に必要なスキル習得やマインド醸成を目的とした研修を部門横断的に実施しています。一方、社員一人ひとりのキャリア形成支援として社員へのキャリア研修や職位者層を対象としたキャリアマネジメント研修を実施するなどの支援策を拡充しています。あわせて自己啓発機会の提供として、eラーニングや外部派遣等、自律的に学ぶ機会を積極的に提供しています。特に全社のデジタルリテラシー向上に向けた施策にも注力しています。
■アコム
■クルンシィ(アユタヤ銀行)
クルンシィは社員が組織の生産性における重要な要素と捉え、「People Excellence」をコンセプトに人材教育に取り組んできました。この「People Excellence」を支える4本の柱として「クルンシィのコアバリューの遵守・体現」「リーダーシップの育成」「専門性の向上」「優良企業市民」を定め、さまざまな人材育成プログラムを提供しています。グローバル・リーダーズ・フォーラムのようにMUFGと合同で取り組んだものもあれば、クルンシィ独自で提供しているプログラムも多数あります。
2022年の社員一人当たりの年間研修費用は6,116.59バーツ、社員一人当たりの年間平均の研修時間が58.44時間を記録しています。さらに、Human Resources Online.netのリーダーシップ開発部門で、HR Excellence Awards 2022 (金賞)を受賞しています。
■ダナモン銀行
ダナモン銀行では社員の能力開発を人材・デジタル・ブランディング戦略の一部と捉え、銀行の社員への投資と位置付けています。また同行では対面研修やオンライン研修、ジョブトレーニングなど社員の学習ニーズや目的に合わせた学習方法を選択することが可能であり、充実した研修プログラムの提供を通して、社員の知見やスキルを向上させる人材開発に尽力しています。
2022年12月には、社員の教育・研修プログラムが、89のeラーニングと882のハイブリッドプログラム(オンラインと対面)に分けられて747日間実施され、合計9,986人が受講しました。
メンタリングによる人材育成
- メンター、メンティのグループ合計
人材の評価方法
人材の評価方法の考え方
評価方法
業績の評価については、全社員が期初に課題を設定し、通年での達成度を振り返り、行動やプロセス等も含めて評価しています。能力の評価については、さまざまな能力の項目を設定し、多面的に評価しています。
各々の評価後にはフィードバック面談を実施し、今後の業績達成・能力開発に資する強みや課題を伝え、納得感・客観性を持たせながら、業績向上・キャリア形成を後押ししています。
また、経営職階並びに管理職階のライン管理職等を対象に、部下や同僚、関係部署等の関係者によるさまざまな角度からの観察により、対象者のマネジメントとしての資質や「強み・課題」等に関する気づきを与え改善を促す360度評価等を実施しています。