自然資本・生物多様性とは
自然資本は、水の浄化や気候の調整をはじめとする生態系サービス等を通じて企業や社会に水、食料、鉱物等の便益をもたらすストックで、動物、植物、水、土壌、大気等から構成されています。
生物多様性は、自然資本の一部である動物、植物の多様性であり、洪水や干ばつといった自然災害からの回復、炭素循環と水循環、土壌形成を下支えることで自然資本を健全で安定な状態に保つ役割があります。
自然資本、生物多様性の損失は金融機関の投融資にとってリスクとなります。また、企業によるそれらの保全への対応は、金融機関のビジネス機会ともなり得ることから、リスクと機会を適切に評価することが重要と考えています。
主な取り組み
MUFG環境方針、MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク
MUFGは、MUFG環境方針やMUFG環境・社会ポリシーフレームワークにおいて、以下のとおり方針を定めています。
MUFG環境方針
(抜粋)「私たちの社会は、豊かな生物多様性の恵みの上に成り立っており、その維持・保全は、持続可能な社会を実現するための基盤となるものです。MUFG は、商品・サービスの提供を通じて、生物多様性を保全する事業を支援するとともに、グループ各社の商品・サービスが生物多様性へ負の影響を及ぼすことが無いように適切に対応します。」
MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)への取り組み
LEAPアプローチを活用した分析プロセス
イニシアティブへの参画
生物多様性のための30by30アライアンス
本アライアンスは、環境省にて策定された30by30ロードマップに盛り込まれた各種施策を実効的に進めていくための有志連合として、2022年4月に発足しました。アライアンス参加者は30by30目標達成に向けた直接的な保全地域の確保、または保全活動の支援に取り組み、その内容を発信します。
MUFGは本アライアンスの趣旨に賛同し、発足と同時に参画しました。
経団連生物多様性宣言
MUFGは、2018年10月に改定された「経団連生物多様性宣言・行動指針」に賛同しています。この宣言・行動指針は、「自然共生社会の構築を通じた持続可能な社会の実現」を目指すものであり、事業活動の中に、低炭素・脱炭素化、資源循環、生物多様性保全といった、幅広い環境活動を取り込む「事業活動と環境対策の統合」を求めています。MUFGはこのような考え方に基づく取り組みを推進します。
自然資本・生物多様性保全の取り組み
閉鎖循環式陸上養殖システムを営むスタートアップへの出資
森林の循環利用サイクル促進に向けた支援
- 2003年に任意団体としてスタートした特定非営利活動法人。市民や企業による「森づくり活動」、「企業の木づかい活動(社員参加型環境・社会貢献活動プログラムの提供)」、「母と子の野外体験活動」の3つを事業の柱として活動。
ピーターラビット™未来へつなぐ森
信託は2022年3月、山梨県富士河口湖町、小立財産区管理会、富士北麓森林組合と森林整備協定を締結、山梨県南都留郡富士河口湖町小立にある1.67haの山林を「ピーターラビット™未来へつなぐ森」と名付け、新たに森林・水源保全を通じた生物多様性保全に向けた取り組みを開始しました。
これまで、2009年5月に同様の協定を結び埼玉県長瀞町で森林保全活動を実施してきましたが、新たな森林を育む活動に取り組みます。
森林は国土の保全、生態系の保全、地球温暖化の防止などさまざまな働きを持っています。とりわけ水源地域の森林は水資源の貯留、水質の浄化などいわゆる水源かん養機能を発揮することにより、安全で良質な水の安定的な供給に重要な役割を果たしています。
これからも役職員一同、森を慈しみ健全な森林を整備していくことが大切だと考えています。
アコムの森
マングローブ植林活動の推進
マングローブは、海洋および沿岸の生態系の貴重な資源であり、経済、社会、および環境の持続可能性の観点で不可欠な存在です。マングローブの木を植えることは、土壌侵食に対する自然の障壁構築に役立つだけでなく、保護価値が高く研究対象となるような生物多様性に富んだ自然環境の創出にも貢献します。
クルンシィ(アユタヤ銀行)では、2012年より政府機関や自治体と協働し、マングローブ植林活動に継続的に取り組んできました。また、ダナモン銀行でも地場企業や当局と協働し、インドネシアのさまざまな地域でマングローブ植林活動に取り組んでいます。
クルンシィ:Mangrove Reforestation Activity(英語)
都心部における貴重な自然価値の保全・継承への貢献
西東京市に位置するMUFG PARKは、豊かな自然とテニスコートなどの運動施設、コミュニティライブラリーを備えた施設です(2023年オープン)。
総面積約6 ヘクタールを誇るMUFG PARKは、都心部における貴重な自然価値の保全・継承にも貢献しています。
環境に配慮した「三菱UFJカード」の発行
ニコスではカード入会から発券、ご利用明細書、ポイントの還元まで、一貫して環境に配慮した「三菱UFJカード」を発行(一部を除く)しています。焼却時に塩素ガスを出さないPET-G素材を採用したカード本体や、森林保全に配慮した紙を利用した申込書等に加え、国内の森林整備・植林事業を行う環境保全団体への寄付プログラムをポイント商品としてご用意しています。
国の天然記念物「タンチョウ」を絶滅から守る活動
MUFG SOUL(注)における活動として国の特別天然記念物であり絶滅危惧種でもある北海道のタンチョウ保護活動に取り組みました。
現地での保護活動に参加するとともに、道内の学校・地域への啓発で使用する動画発信設備の寄付や、活動の様子のポスター掲示を通じた所属支店内での啓発活動を行いました。
- MUFG SOUL~熱い想いを社会のチカラに~
MUFGでは、役職員一人ひとりが企画した社会課題解決のアイデアに対し、活動資金を拠出しています。2022年度には、子ども食堂や児童養護施設の活動支援、地域活性化への貢献など、役職員から集まった企画・アイデアは250件以上に上り、合計3,000人超が社会貢献活動に参加しました。(総額約92百万円)
役職員の課題起点で取り組むことで、より多岐にわたる社会課題の解決に貢献していきます。
里山環境保全プロジェクト
MUFG SOULにおける活動として、里山環境保全活動などを行うNGO富田林の自然を守る会へ里山整備機材購入費用などを寄付するとともに、以下の活動を行いました。
<主な活動内容>
・自然観察会(地元市民、子どもたちが参加)
・里山環境保全活動(間伐、遊歩道整備等)
・SDGs、環境問題などに関するワークショップ
サーキュラーエコノミー
イニシアティブへの参画
循環経済パートナーシップ
ファイナンスを通じた支援
資源を循環させる製造工場「守山サーキュラーファクトリー®」の建設
銀行は、グンゼ㈱のプラスチックフィルム事業の基幹である守山工場のサーキュラーファクトリー®(資源循環型工場)への転換に必要な資金をグリーンローンを通じて支援しました。
サーキュラーファクトリーは、プラスチック廃材を出さないゼロ・エミッションを実現する工場であり、従来の「Take(資源を採掘して)」「Make(作って)」「Waste(捨てる)」という直線型システムのなかで活用されることなく廃棄されていた製品や原材料などを新たな資源と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる製造の仕組みを取り入れた最先端の施設です。
また、太陽エネルギーや地下水の冷熱エネルギー等の再生可能エネルギーも利用する設備を備えており、CO2の削減にも貢献します。