MUFGは、世界が直面する最も深刻な問題の一つである気候変動への対応に全力で取り組み、「世界が進むチカラになる。」という存在意義(パーパス)に基づいた具体的な行動計画を策定します。パリ 協定の合意事項達成のため、事業を通じて脱炭素社会へのスムーズな移行を支援し、環境と経済の好循環による持続可能な社会の実現に積極的に貢献します。
MUFGは、2050年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量のネットゼロ、および2030年までに当社自らの温室効果ガス排出量のネットゼロを達成します。その実現に向けた対応として以下を掲げ、今後、具体化・推進します。その進捗についても、適時・適切に開示を行います。
ファイナンスを通じた脱炭素化実現へのコミットメント
2050年までに投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロ
MUFGは、2050年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス(以下、GHG/Greenhouse Gas)排出量(注)ネットゼロの実現をめざすとともに、2030年の中間目標を2022年度中に設定のうえ開示し、進捗を年次で報告します。そのコミットメントの一環として、2019年の責任銀行原則(PRB)に続き、 国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)が本年4月に発足させた「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」に本邦より初めて参加します。
- 国際的な組織である「GHGプロトコルイニシアチブ」が策定したGHG排出量の算定と報告基準である、GHGプロトコルにおけるScope3
適切なエンゲージメント機能の発揮
MUFGは、気候変動対応という課題の解決とMUFGの経営戦略とを一体的に捉え、サステナブルファイナンスに係る意欲的な目標設定(注1)、ファイナンスポリシーの継続的な見直し(注2)、石炭火力発電関連与信残高の将来目標の開示(注3)(注4)、気候変動リスクの与信プロセスへの反映等を通じて、エンゲージメント機能を発揮します。
- 2021/4 月:20 兆円から35 兆円に引き上げ〈2019~30 年度累計〉
- 2021/4 月:石炭火力発電・森林・パーム油セクターポリシー改定
- 石炭火力発電向けプロジェクトファイナンス残高の削減目標(2030 年度に2019 年度比半減、2040 年度ゼロ)を設定し推進
- 事業に占める石炭火力発電の比率が高いお客さま向けコーポレート与信の残高目標を開示する方針
イノベーション技術やトランジションの取り組みを積極的に支援
自社独自で進める脱炭素化
2030年までに自社自らのGHG排出量ネットゼロ
MUFG は、2030 年までに当社自らのGHG 排出量(注) のネットゼロをめざします。2021 年度には、銀行・信託・証券の国内拠点で自社で契約する使用電力を100%再生可能エネルギーにより調達します。 さらに、再生可能エネルギーのマーケット活性化を目的とするファンドを第一段階として1,000 億円規模で設立し、グリーン電力の「創出から購入までを一気通貫」で対応する、本邦初のスキームを構築することで、社会の脱炭素化を牽引します。
- GHG プロトコルにおけるScope 1 およびScope 2
寄付プログラムの活用
MUFGは、グループ業務純益の1%相当を社会貢献活動に拠出する寄付プログラムを積極的に活用し、気候変動に係るイノベーション技術の支援や植林等のカーボンオフセットを推進します(注)。
- 2021/1 月から、Eco 通帳の新規または切替の申込み件数に応じて約10 万本の植樹と10 年間の育成費総額5 億円の寄付を行うプログラムを実施中
パリ協定に整合的な目標設定と情報開示の拡充・透明性向上
科学的手法を活用した目標設定・各種イニシアティブへの参画
MUFG は、SBT (Science Based Targets) 等の科学的手法を活用し、パリ協定と整合的な目標を定めるとともに、各種のグローバルイニシアチブに参画することで気候変動対応の充実を図り、ステークホルダーの理解向上と適切なリスク判断に資する透明性の高い開示に努めます(注)。
- 再生可能エネルギープロジェクトファイナンスによるCO2 削減目標(従来は実績のみ)を設定、開示
TCFD提言に沿ったシナリオ分析の実施・公表
カーボンニュートラル実現を支える体制の強化
MUFG環境方針改定
経営のコミットメント
MUFG は、カーボンニュートラル実現に係る経営のコミットメントとして、2021 年度より役員報酬にESG 要素を反映するほか、戦略企画・推進機能の体制を強化し(注1)(注2) 、取り組みを加速します。 また、各地域におけるグループ事業会社・拠点が、各々の地域特性・事情を踏まえつつ、脱炭素化をリードしていくことをサポートするため、海外パートナーバンク等を含む、グループ・グローバルベースでのプロジェクトチームを設置し、対応を進めます。
- 環境・社会課題の解決に向けた取り組みについて定期的にサステナビリティ委員会で審議し、経営会議および取締役会に付議・報告
- 2020 年度よりサステナビリティ推進に係る職責を明確化するため、チーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSuO) を設置
外部知見の活用
MUFG はアドバイザー(注) 等の有識者の更なる知見活用や、研究機関等との協働のほか、プロ人材の強化・育成に取り組みます。
- 2019 年度より常設の社外アドバイザーを招聘。専門的知見からの助言・提言をサステナビリティ経営に活用