方針/ガイドライン
環境(Environment)
- 環境に対する考え方
三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は、地球環境の保全・保護が人類共通の責務であると認識しています。
かかる認識のもと、MUFG は、地球環境と人間社会が調和・共生した世の中を実現し、将来世代に引き継ぐため、気候変動への対応や環境保全に取り組みます。 - MUFG 環境方針の位置付け
MUFG は、全ての活動の指針である「MUFG Way」において「世界が進むチカラになる。」を存在意義と定め、社会、お客さまをはじめとする全てのステークホルダーの課題解決に取り組んでいます。
MUFG環境方針 は、MUFG Wayの下に定めている「MUFGグループ行動規範」における「環境への配慮」を実践するため、その行動の基盤となる環境認識と具体的な行動の指針を示すものであり、取締役会にて決定されます。 - 事業活動を通じた環境への取り組み
- 事業活動を通じた取り組み
MUFGは、環境と経済の好循環による持続可能な社会の実現に貢献しようとするお客さまを、グループ各社の商品・サービスの提供を通じて支援し、これをMUFG自身の成長機会とするとともに、気候変動をはじめとする環境に関するリスク管理高度化の対応を進め、環境に負の影響を及ぼす可能性が有る場合は、適切に対応します。また、気候変動への対応や自然資本・生物多様性の保全、循環経済への移行、人権尊重といった課題が相互に関連していることを認識し、これらの課題解決に努めます。
これらの取り組みにより、持続可能な社会の実現を後押しするとともに、持続的な事業成長と企業価値の向上をめざします。
MUFG は、お客さまとの取引に関し、環境・社会に対するリスクを管理するための枠組みとして、「MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク」を制定しています。
■気候変動
MUFG は、気候変動問題は、地球環境に係る重大な課題であり、持続可能な社会を実現し、更にはお客さまやグループ各社が今後も事業を継続していくためにも適切な対応が必要であると考えています。あわせて、グローバルな金融機関として、脱炭素社会への移行をはじめとする気候変動への世界的な取り組みに関し、大きな役割を果たし得る立場にいることも認識しています。
このような認識を踏まえ、MUFG は、脱炭素社会への移行を促進するために、グループ各社の業務およびお客さまへの商品・サービスの提供において、以下の取り組みを進めます。
- 太陽光・風力等の再生可能エネルギー事業や環境に関するリスクに配慮した企業の資金調達の支援等を通じて、温室効果ガス排出量削減の取り組みを推進します。
- グループ各社の商品・サービスが気候変動に影響を及ぼす可能性に考慮し、その影響にも十分配慮したえうえで、適切に対応します。
- 気候変動が事業に及ぼす将来的な影響を調査・分析し、気候変動に関するリスク管理に取り組みます。
■自然資本・生物多様性
私たちの社会は、動物、植物、水、土壌、大気といった自然資本や、豊かな生物多様性の恵みの上に成り立っており、その維持・保全は、持続可能な社会を実現するための基盤となるものです。
MUFGは、グループ各社の業務およびお客さまへの商品・サービスの提供を通じて、自然資本・生物多様性を保全する事業を支援するとともに、リスクの把握に努め、自然資本・生物多様性へ負の影響を及ぼすことが無いように適切に対応します。
- 自社の環境負荷軽減等の取り組み
グループ各社は、以下の取り組みを進めることで、自社の環境負荷の低減や環境改善と汚染の予防等に努めます。
- オフィスにおける環境負荷の低減
事業活動における資源の消費や、廃棄物の排出による環境への負荷を認識し、資源循環の取り組みや、エネルギーと資源の有効活用を通じ、環境保全に努めます。 - 環境改善と汚染の予防
環境に対する効果の継続的な検証を心がけ、環境改善と汚染の予防に取り組みます。 - グループ内啓発と全員参加
グループ各社の社内に通知し、環境に対する社内の啓発を心がけるとともに、役職員が業務・業務外を問わず、活動しやすい枠組みを用意し、役職員一人ひとりの環境保全活動を推進します。
- ガバナンス・管理体制
MUFG 環境方針は、取締役会にて決定されます。定期的に見直しの要否を検討するほか、事業活動やビジネス環境の変化を踏まえて随時見直しを行います。
環境に関する取り組みは、サステナビリティ委員会において定期的に審議します。その内容は経営会議での審議を経て、取締役会に報告を行います。
環境に関する取り組みについて適切かつ積極的な情報開示を行い、透明性の確保に努めます。
- ステークホルダー・エンゲージメント
別紙
- パリ協定/Paris Agreement
- 気候関連財務情報開示タスクフォースによる提言/TCFD
- 責任銀行原則/PRB
- 責任投資原則/PRI
- 赤道原則/Equator Principles
- 国連環境計画・金融イニシアティブ/UNEP FI
- 21 世紀金融行動原則
- CDP(旧名称:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)
- Stakeholder Capitalism Metrics
- はじめに
国際社会は、持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定の合意事項の達成を目指し、人類および全ての生物の生存基盤である地球環境の保全と、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は、MUFG Wayにおいて「世界が進むチカラになる。」を存在意義と定め、地球環境の保全や多様な人権の保護などへの取り組みを進めます。
また、金融機能を通じた環境および社会の課題解決に積極的に取組み、持続的な事業成長と企業価値向上の実現を目指します。
MUFG は、グループ各社の事業活動により生じる環境・社会に対するリスクを真摯に対応すべき経営上の重要課題と認識し、様々なステークホルダーの意見や考え方を踏まえ、MUFG の環境への取組方針を定めた「MUFG 環境方針」、MUFG の人権への取組方針を定めた「MUFG 人権方針」のもと、「MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク」(以下、本フレームワーク)を制定しました。
以下では、環境・社会問題に適切に対応すると同時に、持続可能な環境および社会の発展に寄与していくためのMUFG の取り組みの方向性を提示します。こうした取り組みが、持続可能な環境および社会の実現を後押しし、より望ましい成果をもたらすと期待しています。
また、本フレームワークについては、グループ各社のお客さまにも内容をお伝えし、ご理解とご協力を働きかけます。 - ガバナンス
MUFG は、経営活動を遂行するにあたっての指針として、MUFG Wayを定めています。また、MUFG Wayの実現のため、グループ各社の役職員の日々の行動に際しての具体的な判断や行動の基準として、行動規範を定めています。本フレームワークについても、MUFG Wayや行動規範を踏まえて制定しています。
- MUFG 環境・社会ポリシーフレームワークの位置付け
本フレームワークは、MUFG 環境方針およびMUFG 人権方針に基づき、環境・社会課題に対応する取り組みの一環として制定するものであり、事業活動に伴う環境・社会に対するリスクを適切に把握・管理するために構築しています。また、MUFG の企業価値を毀損することが無いよう評判リスク管理の枠組みと整合するように構築しています。 - ガバナンス・管理体制
MUFG では、経営会議の傘下にサステナビリティ委員会を設置し、環境・社会課題への対応を審議しています。
また、環境・社会に対するリスクまたは負の影響が大きく、MUFG の企業価値を毀損する可能性が高い個別案件については、評判リスク管理の観点から、必要に応じて、経営階層のマネジメントが参加する枠組みにおいて、対応を協議することとしています。 - 事業本部の役割
事業本部は、お客さまにご提供する商品・サービスが、環境・社会配慮の観点から問題がないかについて、お客さまへのヒアリング等を踏まえ、環境・社会デューデリジェンスを実施します。環境・社会デューデリジェンスの実施においては、環境・社会に対するリスクを管理する部署等へ相談します。 - MUFG 環境・社会ポリシーフレームワークの管理
本フレームワークは、サステナビリティ委員会にて審議され、経営会議で決定されました。
また、サステナビリティ委員会にて、定期的に見直し要否を審議するほか、事業活動の変化やビジネス環境の変化等に応じて、随時見直します。
- MUFG 環境・社会ポリシーフレームワークの位置付け
- 適用対象となる商品・サービス
MUFG は、グループ各社がお客さまにご提供する商品・サービスのうち、お客さまの事業を支援する与信と債券・株式引受(以下、ファイナンス)を通じて、事業に内在する環境・社会影響を発生させ、または環境・社会に対するリスクを拡大させる可能性があると認識しています。
本フレームワークは、MUFG の主要子会社である三菱UFJ 銀行、三菱UFJ 信託銀行、および三菱UFJ 証券ホールディングス(以下、主要子会社)の法人のお客さま向けの、全ての国・地域における新規のファイナンスに適用します。主要子会社は本フレームワークをそれぞれの業務に固有な社内の手続きと基準に組み入れます。
また三菱UFJ 銀行は、2005 年に採択した赤道原則(Equator Principles)に基づき、大規模プロジェクトの環境・社会デューデリジェンスを実施しています。
受託財産事業でも、アセットマネジメント事業の遂行を通じてもたらされる環境・社会影響への配慮について、その重要性を十分認識しています。同時に、お客さまの付託に応えるべく、受託者責任を全うすることが極めて重要な責務であると認識しています。このため、アセットマネジメント事業にかかる環境・社会課題に対する取り組みにつき、本枠組みとは別にポリシーを定めています。 - 適用対象となる事業
本フレームワークは、主要子会社がファイナンスを提供する法人のお客さまが、当該国の法令や国際的なプラクティスに基づき環境や社会へ適切な配慮を実施するなどの、社会的責任を果たしていることを確認させて頂くための指針です。
MUFG は、環境・社会に対するリスクまたは影響の性質や重大性に鑑み、「ファイナンスを禁止する事業」、および「ファイナンスに際して特に留意する事業」を定め、対応を明確化しました。- ファイナンスを禁止する事業
以下に該当する事業は、重大な環境・社会に対するリスクまたは負の影響を内包すると考えます。主要子会社は、これらの事業に対して、環境・社会に対するリスクまたは負の影響を認識した場合はファイナンスを実行しません。
A) 違法または違法目的の事業
B) 公序良俗に反する事業
C) ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業
D) ユネスコ指定世界遺産へ負の影響を与える事業
E) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)に違反する事業(注1)
(注1)各国の留保事項には十分配慮するものとします。
F) 児童労働・強制労働・人身取引を行っている事業
G)クラスター弾製造企業、非人道兵器製造事業
クラスター弾は、一般市民に甚大な影響を与えてきた兵器です。内蔵する複数の子弾が空中で広範囲に散布する爆弾であり、人道上の懸念が大きいと国際社会で認知されています。クラスター弾の非人道性を踏まえ、クラスター弾製造企業に対するファイナンスを禁止しています。
戦争・紛争において使用することを目的に製造され、一般市民も含めて、無差別かつ甚大な影響を与える核兵器、生物・化学兵器、対人地雷は、クラスター弾と同様に人道上の懸念が大きいと国際社会で認知されています。核兵器、生物・化学兵器、対人地雷の非人道性を踏まえ、これら非人道兵器の製造に対するファイナンスを禁止しています。
- ファイナンスに際して特に留意する事業
留意する事業に関する項目としては、セクター横断的な項目と特定セクターに係る項目があります。
以下の項目に該当する事業には、環境・社会に対するリスクまたは負の影響が存在する可能性が高く、お客さまによる適切な環境・社会配慮の実施が期待されます。主要子会社がそれらの事業に対してファイナンスの実行を検討する際には、環境・社会に対するリスクまたは影響を特定・評価するプロセスでお客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
お客さまの環境・社会配慮が、予想されるリスクまたは影響に比べて十分とは言えない場合には、ファイナンスを実行しません。
① セクター横断的な項目
A) 先住民族の地域社会へ負の影響を与える事業
B) 非自発的住民移転に繋がる土地収用を伴う事業
C) 保護価値の高い地域へ負の影響を与える事業
D) 紛争地域における人権侵害を引き起こす、または助長する事業、あるいは人権侵害と直接的に結びついている事業
②特定セクターに係る項目
A) 石炭火力発電
環境保護、とりわけ気候変動および持続可能なエネルギーへの取り組みは、MUFG に与えられた社会的使命の中でも最も重要なものの一つです。
パリ協定の合意事項達成のため、事業を通じて脱炭素社会へのスムーズな移行を支援し、環境と経済の好循環による持続可能な社会の実現に貢献します。石炭火力発電所の新設および既存発電設備の拡張にはファイナンスを実行しません。但し、パリ協定目標達成に必要な、CCUS(注2)、混焼等の技術を備えた石炭火力発電所は個別に検討する場合があります。
(注2)二酸化炭素回収・利用・貯留技術(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)
B)鉱業
a) 鉱業(全般)
鉱業は、様々な工業製品の原材料を供給しており、私たちの社会や日常生活に必要不可欠な産業です。加えて、再生可能エネルギー設備やバッテリー等の材料の供給を行っており、カーボンニュートラル実現に向けても重要な産業です。
同時に、鉱物の採掘事業(鉱物の採掘・選鉱やそれに伴う尾鉱の処理)に際しては、生態系や先住民族の地域社会への影響、児童労働・強制労働といった人権侵害など、環境・社会への影響を考慮する必要があることをMUFGは認識しています。
鉱業における採掘事業に対するファイナンスの実行を検討する際には、生態系や先住民族の地域社会への影響、人権への配慮といった、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
b)鉱業(石炭)
炭鉱開発は責任を持って管理されなければ、炭鉱落盤事故による死傷者の発生、人権侵害、炭鉱から排出される有害廃棄物による生態系への影響など、環境・社会に負の影響を及ぼすことをMUFGは認識しています。加えて、石炭は他のエネルギー資源に比べて、火力発電所などで燃焼される場合、多くの温室効果ガスを排出することも事実であり、発電事業向けに一般炭を供給する新規の炭鉱開発が、将来の温室効果ガス排出量増加につながる可能性があることをMUFGは認識しています。
炭鉱開発に対するファイナンスの実行を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。それには開発による生態系への影響とその対応や地域住民との関係、労働安全衛生への対応が含まれます。
以下の事業または企業にはファイナンスを提供しません。
・自然環境に対して重大な負の影響を与える山頂除去採掘(Mountain Top Removal, MTR)方式で行う石炭採掘事業
・発電事業向けの新規の一般炭採掘事業または既存の一般炭採掘の拡張事業・発電事業向けの一般炭採掘事業に紐付くインフラの新規開発または拡張事業
・発電事業向けの一般炭採掘事業またはそれに紐付くインフラ事業を主たる事業とする企業のうち、MUFGとファイナンス等の既存の取引が無い企業
但し、利用時の温室効果ガス排出の吸収等が確約されている案件や、環境保全に必要な案件は、個別に検討する場合があります。
C)石油・ガス
石油やガスは、電力をはじめとする社会インフラにおけるエネルギー源等として私たちの社会や日常生活に必要不可欠である一方で、温室効果ガスの排出を通じた気候変動への影響に配慮する必要があります。
a)オイルサンド
オイルサンドは、開発の過程における環境負荷の影響を考慮する必要があることをMUFGは認識しています。
新規のオイルサンドの採掘に対するファイナンスの実行を検討する際には、開発地域における生態系や先住民族の地域社会への影響等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
b)北極開発
北極とその周辺地域には、希少生物の生息地や先住民族への配慮等が必要な地域があることをMUFGは認識しています。
北極圏(北緯66度33分以北の地域)における新規の石油・ガスの採掘に対するファイナンスの実行を検討する際には、開発地域における生態系や先住民族の地域社会への影響等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
c)シェールオイル・ガス
シェールオイル・ガスには、開発時における水資源枯渇、水質汚染、地震誘発等の影響があることをMUFGは認識しています。
新規のシェールオイル・ガス開発に対するファイナンスの実行を検討する際には、開発地域における生態系や周辺の地域社会への影響等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
d)パイプライン
パイプラインには、敷設時および完工後において、オイル漏洩による生態系への影響、森林伐採などによる環境への影響、先住民族への配慮等の必要があることをMUFGは認識しています。
新規のパイプライン敷設に対するファイナンスの実行を検討する際には、開発地域における生態系や先住民族の地域社会への影響等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
D)大規模水力発電
大規模ダムは、社会インフラとして治水や農業生産に貢献し、また電力供給においても再生可能エネルギーとしてクリーンなエネルギーの供給に資する一方で、河川流域の生態系や住民の生活環境に広範囲に変化を及ぼす可能性があることをMUFGは認識しています。
新規の大規模水力発電所(注3)へのファイナンスの実行を検討する際には、ダム建設に伴う生態系、地域社会や住民の生活環境等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
(注3)ダム壁の高さが15メートル以上かつ出力30MW以上の新規の水力発電所のダム建設
E) バイオマス発電
バイオマス発電は、再生可能エネルギーとしてクリーンなエネルギーの供給に資する一方で、その燃料が生産、加工される過程での環境・社会への影響を考慮する必要があることをMUFGは認識しています。
バイオマス発電所や、バイオマス発電に使用する燃料の加工事業に対する新規のファイナンスの実行を検討する際には、燃料の食料との競合や、持続可能性、ライフサイクル温室効果ガス等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
F) 森林
森林は、多様な野生動植物の生息地となることで、生物多様性の保全・保護に重要な価値を有するとともに、木材、紙、パルプなどの原産地として、地域経済を支える重要な存在です。また、森林が有する二酸化炭素の吸収・貯蔵機能を通じ、気候変動の緩和に重要な役割を果たしています。無秩序且つ大規模な森林破壊は、地球環境、とりわけ気候変動に対して重大な負の影響を及ぼすことをMUFG は認識しています。
森林セクターや紙パルプセクター等における植林地の経営を含む森林伐採事業に対するファイナンスの実行を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
違法な伐採や保護価値の高い地域における森林破壊(deforestation)が行われていないことを確認するとともに、高所得OECD 加盟国以外において上記の森林事業に対してファイナンスを実行する際には、お客さまに対し、国際的に認められている認証(FSC(Forest Stewardship Council)、PEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemes)等(注4))の取得を求めます。未取得の場合には、取得に係る行動計画の提出を求めます。
森林伐採を伴う大規模農園等(注5)の開発、操業に対するファイナンスの実行を検討する際には、先住民族等への「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC: Free, Prior and Informed Consent)の尊重や「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ」(NDPE: No Deforestation, No Peat and No Exploitation)等の環境・人権への配慮を定めた方針の策定を求めます。
なお、取引期間において、社会的課題に対して適切な対応がなされていない場合には、お客さまに対して改善に向けた対応を求め、改善策が不十分である場合は新規のファイナンスは実施しません。
お客さまのサプライチェーンにおいても、同様の取り組みがなされるよう、サプライチェーン管理の強化、ならびにトレーサビリティの向上を要請します。
(注4)FSC、PEFC 等の認証には、先住民族等への「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC: Free, Prior and Informed Consent)の尊重の考えが含まれると認識しています。
(注5)大規模農園等とは、1万ha以上を対象とし、大豆・天然ゴム・カカオ・コーヒー等を栽培する農園、及び放牧地をいいます。
G) パーム油
パーム油は、調理用油、洗剤、塗料などの日常生活に欠かせない製品を作るためにも使われます。また、パーム油の消費拡大が、多くの国々の経済的成長を促進した側面もあります。
一方、パーム油のプランテーションにおいて、自然林の伐採や泥炭地等での野焼きが行われる場合、生物多様性や気候変動への影響、更には地域社会との対立などを引き起こす可能性があります。
そのため、パーム油のプランテーション事業は、責任を持って管理されなければ、地球環境に対して重大な負の影響を及ぼすことをMUFG は認識しています。
パーム油のプランテーションの所有・経営事業に対するファイナンスの実行を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
上記のパーム油事業に対してファイナンスを実行する際には、お客さまに対し、RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)への参加を促すとともに、RSPO の認証(注6)取得、「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ」(NDPE: No Deforestation, No Peat and No Exploitation)を遵守する旨の公表を求めます。RSPOの認証未取得やNDPEを遵守する旨を公表していない場合には、履行に向けた行動計画の提出を求めます。
お客さまのサプライチェーンにおいても同様の取り組みがなされるよう、サプライチェーン管理の強化、ならびにトレーサビリティの向上を要請します。
なお、取引期間において、社会的課題に対して適切な対応がなされていない場合には、お客さまに対して改善に向けた対応を求め、改善策が不十分である場合は新規のファイナンスは実施しません。
(注6)RSPO認証には、先住民族等への「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC: Free, Prior and Informed Consent)の尊重、「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ」(NDPE: No Deforestation, No Peat and No Exploitation)の遵守の考えが含まれると認識しています。
- ファイナンスを禁止する事業
- 環境・社会に対するリスクまたは影響を特定・評価するプロセス
ファイナンスの対象となる事業の環境・社会に対するリスクまたは影響を特定し、評価するためのデューデリジェンスのプロセスを導入しています。
- 標準デューデリジェンス
標準デューデリジェンスは、お客さまと直接接点を持つ主要子会社の事業部門の法人担当部署が実施します。ファイナンスの対象である事業が、「ファイナンスを禁止する事業」と「ファイナンスに際して特に留意する事業」に該当するか否か、入手可能な公開情報や、お客さまからご提供頂く情報等に基づき判断します。 - 強化デューデリジェンス
「ファイナンスに際して特に留意する事業」に該当する場合、標準デューデリジェンスに加えて、必要に応じて主要子会社の環境・社会に対するリスクを管理する部署等が強化デューデリジェンスを実施します。強化デューデリジェンスの結果を十分考慮したうえで、ファイナンス実行の可否を決定します。 - 評判リスクに関する協議の枠組み
ファイナンス対象の事業が、MUFG の企業価値を大きく毀損する可能性があると判断される場合には、経営階層のマネジメントが参加する枠組みにおいて、当該ファイナンス案件への対応を協議します。
- 標準デューデリジェンス
- 社内研修等
- 社内研修・教育
世界的な環境・社会課題に対する取り組みや環境・社会配慮確認に関する理解を深め、本フレームワークの考え方やデューデリジェンス手続の浸透を目的として、主要子会社の事業部門の法人担当者等を対象とした研修を実施します。
環境・社会に対するリスクを管理する部署等の担当者には、本フレームワークの取り組みの高度化を目的とした専門的な研修を実施します。 - ステークホルダー・エンゲージメント
本フレームワークの運用は、様々なステークホルダーと建設的なコミュニケーションを図りながら進めます。こうした協働は、MUFG が対応すべき環境・社会に対するリスクまたは影響の適切な把握に寄与し、本フレームワークをより実効性の高い内容とするための見直しを検討する際の参考となります。
【免責文言】
本フレームワークの公表および運用開始により、MUFG またはグループ各社との間に何ら代理関係または契約関係が発生するものではなく、MUFG およびグループ各社は一切法的な義務や責任を負うものではありません。 - 社内研修・教育
三菱UFJ信託銀行、三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJ不動産投資顧問、Mitsubishi UFJ Asset Management (UK) 、三菱UFJオルタナティブインベストメンツは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)におけるアセットマネジメント会社として“MUFG Asset Management”(以下、MUFG AM)ブランドを形成しています。
今般、MUFG AMは、サステナブル投資を推進するための方針として「MUFG AMサステナブル投資ポリシー」(以下、本ポリシー)を制定いたしました。
- ESGインテグレーション
MUFG AMは、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)等に起因するリスクや機会を考慮した投資が、長期的なリスク・リターンを改善し、企業および社会を取り巻くESG課題の解決に寄与すると考え、財務情報だけでなく、ESG等の非財務情報の視点を投資プロセスに組み込むこと(ESGインテグレーション)を推進します。 - スチュワードシップ活動(エンゲージメント・議決権行使)
MUFG AMでは、ESGに関する高い専門性を有した人材とファンドマネジャーやアナリスト等が協働し、エンゲージメントと議決権行使を行います。MUFG AMは、投資先企業の長期的に顕在化しうるリスクの低減、持続的成長および企業価値向上の実現をはかり、運用資産の長期的なリスク・リターンの改善を目指します。また、サステナブルな未来の実現に向けた重大な課題の解決を促進します。 - エクスクルージョンおよびダイベストメント
MUFG AMは、投資先企業とのエンゲージメントを通じ、投資先企業にサステナブルな未来の実現に向けた変化を促すことができると考えております。サステナブルな未来の実現に反すると考えられる事業に関わる企業等については、原則として受託している全ての運用資産においてネガティブ・スクリーニングを実施します。ただし、お客さまからのガイドラインに基づく運用、外部委託運用およびパッシブ運用はこの限りではありません。 - 社会に変革を与える商品・サービスの開発・提供
MUFG AMは、SXを成し遂げていくためには、真にお客さまや市場のニーズを捉えた社会に変革を与える(トランスフォーマティブな)運用商品・サービスの提供が重要であると認識しており、運用戦略や運用手法の強化・開発やソリューションの提供に取り組みます。 - 解決すべき課題の特定
MUFG AMは、サステナブルな未来の実現を阻害し、長期的に運用資産への影響度が大きい課題について、優先して解決すべく取り組みます。特に、サステナブルな未来の実現のためには、気候変動問題への取り組みが不可欠であると考えています。このため、Net Zero Asset Managers initiativeに参画しカーボンニュートラルの実現に取り組んでいくことを表明しており、サステナブル投資を通じて脱炭素社会への移行(トランジション(注))を推進して参ります。2050年のカーボンニュートラルの達成、 脱炭素社会の実現に向けて、GHG(温室効果ガス)多排出産業が脱炭素化に移行するための取り組みも促進して参ります。
(注)再生可能エネルギー等の既に脱炭素化・低炭素化の水準にある活動・取り組みとあわせて、GHG(温室効果ガス)多排出産業が脱炭素化・低炭素化を進めていく移行の取り組みも指します。 - サステナブル投資ファンドの定義
サステナブル投資の更なる普及のため、本ポリシーに基づきMUFG AM各社が取り扱うサステナブル投資ファンドについて、各々定義を明確化いたします。
本ポリシーに定められたサステナブル投資にかかる取り組みは、原則、MUFG AMにて受託する全ての運用資産とアセットクラスに適用されます。
また、本ポリシーの見直しを定期的に行い、MUFG AM各社の事業活動および環境の変化に応じて改定します。
[免責条項]
本ポリシーの公表および運用開始により、MUFGまたはMUFG AM各社との間に何ら代理関係または契約関係が発生するものではなく、MUFGおよびMUFG AM各社は一切法的な義務や責任を負うものではありません。
社会(Social)
- 人権尊重へのコミットメント
三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は、MUFG Wayにおいて定める存在意義「世界が進むチカラになる。」を実現するうえで、人権の尊重を経営において取り組むべき重要課題と認識するとともに、事業活動の全てにおいて、人権尊重の責任を果たす努力をすることを誓います。
- 尊重する人権
MUFG は、国際的な人権基準として、以下を尊重します。
- 世界人権宣言
- 労働における基本原則および権利に関する宣言(国際労働機関(ILO))
- ビジネスと人権に関する指導原則
加えて、別紙に記載するその他各種の国際的なイニシアティブへの支持を表明し、推進しています。
人権を保護する義務はまず国家にありますが、MUFG は、法令等による当該国における人権尊重の義務の有無を問わず、国際的に認められている人権に関連する基準等を支持し、尊重します。
なお、国際的に認められた基準等と当該国の法令等との間に矛盾がある場合、国際的な基準等を尊重するための方法を追求します。
また、MUFGは、気候変動や自然資本・生物多様性の損失といった環境問題、人工知能(AI)の技術が、人権に影響を及ぼす可能性があることを認識しています。 - MUFG 人権方針の位置づけ
MUFG は、全ての活動の指針である「MUFG Way」において「世界が進むチカラになる。」を存在意義と定め、社会、お客さまをはじめとする全てのステークホルダーの課題解決に取り組んでいます。
MUFG 人権方針は、MUFG Wayの下に定めている「MUFGグループ行動規範」を踏まえ、事業活動において人権の尊重に取り組んでいくことを誓うものであり、取締役会にて決定されます。 - 適用範囲
MUFG 人権方針を踏まえ、グループ各社の役職員は、人権尊重に努めます。
さらに、グループ各社のお客さまやサプライヤー(納入業者)に対しても人権の尊重を働き掛けていくとともに、お客さまやサプライヤー(納入業者)が人権を尊重していない場合は、適切に対処するように努めます。
人権デューデリジェンス
MUFGは、「責任ある企業行動のためのOECDデューディリジェンス・ガイダンス」を尊重し、事業活動により引き起こす、助長する、または取引関係により直接結びつく人権への負の影響の防止・軽減に向けた人権デューデリジェンスに取り組んでいます。人権への負の影響の特定と評価、特定した負の影響への対応、取り組みの実効性の評価、情報開示やステークホルダーとのコミュニケーションを継続的に行い、適切な人権デューデリジェンスの実施に努めます。
MUFGが人権への負の影響を引き起こした、またはこれを助長している場合は、その影響を軽減・回復するべく、適切な手段を通じて是正に努めるとともに、自社の事業やサービス等が人権への負の影響に直接関連している場合、影響力を適切に行使して、お客さまやサプライヤー等が負の影響を防止または軽減するよう働きかけることに努めます。- 役職員の人権
MUFGでは、雇用や就業におけるあらゆる差別の解消・撤廃に取り組んでおり、人種、国籍、信条、宗教、障がい、門地、性別、性的指向、性自認、年齢、健康状態等による差別やセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント等のハラスメント行為、強制労働や児童労働等の人権侵害を容認しないことを明確にし、役職員にその遵守を徹底しています。また、プライバシーの権利、結社の自由および団体交渉権を尊重するとともに、DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)推進に取り組んでいます。
加えて、グループ各社に職場内の人権侵害についての相談窓口を設け、相談を受け付けるとともに、これらの行為を許さず、防止する体制を整備しています。
加えて、役職員各層別への人権啓発研修を実施する等により、役職員一人ひとりが人権問題に対する正しい理解と認識を深めることに努めています。
お客さまの人権
MUFGは、人権に配慮した金融サービスの提供、お客さまのプライバシーの保護・尊重、マネー・ローンダリング等の防止など、お客さまの人権に負の影響をもたらすことがないよう努めています。- お客さまへの人権配慮の要請
MUFG は、お客さまに対しても、人権を尊重し、侵害しないことを求めていきます。また、提供する商品やサービスが、人権侵害の発生と直接的に結びついている場合は、MUFG として適切に対応すると共に、適切な対応をとるようにお客さまに働きかけることにより、人権尊重を推進します。
中でも、児童労働・強制労働・人身取引や、先住民族の地域社会への負の影響等は深刻度の高い人権課題と認識しています。お客さまとの取引に関しては、環境・社会への影響配慮の枠組みとして「MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク」を制定しており、取引可否の判断に際しては、必要に応じて当該ポリシーフレームワークに定めるデューデリジェンスを実施します。 - サプライヤー(納入業者)への人権配慮の要請
MUFGは、「購買活動に関する考え方」を制定し、サプライヤー(納入業者)に対しても、人権を尊重し、侵害しないことを求めていきます。また、サプライヤー(納入業者)において、人権への負の影響が引き起こされている場合には、MUFG として適切に対応することにより、人権尊重を推進します。
- 救済措置等
MUFG は、グループ各社の役職員や提供する商品・サービスが、人権に対して負の影響を引き起こした、あるいはこれに関与したことが明らかになった場合、適切に対応し、その救済に取り組みます。
- ガバナンス・管理体制
MUFG人権方針は、取締役会にて決定されます。定期的に見直しの要否を検討するほか、必要に応じて見直しを行います。
人権に関するリスクの把握に努めるとともに、人権に関する取り組みを、サステナビリティ委員会において定期的に審議します。また、その内容は経営会議での審議を経て、取締役会に報告を行います。また、人権に関する取り組みについて適切かつ積極的な情報開示を行い、透明性の確保に努めます。。
- ステークホルダー・エンゲージメント
MUFG は、MUFG 人権方針に基づく取り組みにおいて、関連するステークホルダーとの対話と協議を行うことにより、人権尊重の取り組みの向上と改善に努めていきます。
別紙
- OECD 多国籍企業ガイドライン
- 国連グローバル・コンパクト
- 子どもの権利とビジネス原則
- 責任銀行原則/PRB
- 責任投資原則/PRI
- 赤道原則/Equator Principles
- 国連環境計画・金融イニシアティブ/UNEP FI
- 21 世紀金融行動原則
- Stakeholder Capitalism Metrics
- はじめに
国際社会は、持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定の合意事項の達成を目指し、人類および全ての生物の生存基盤である地球環境の保全と、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)は、MUFG Wayにおいて「世界が進むチカラになる。」を存在意義と定め、地球環境の保全や多様な人権の保護などへの取り組みを進めます。
また、金融機能を通じた環境および社会の課題解決に積極的に取組み、持続的な事業成長と企業価値向上の実現を目指します。
MUFG は、グループ各社の事業活動により生じる環境・社会に対するリスクを真摯に対応すべき経営上の重要課題と認識し、様々なステークホルダーの意見や考え方を踏まえ、MUFG の環境への取組方針を定めた「MUFG 環境方針」、MUFG の人権への取組方針を定めた「MUFG 人権方針」のもと、「MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク」(以下、本フレームワーク)を制定しました。
以下では、環境・社会問題に適切に対応すると同時に、持続可能な環境および社会の発展に寄与していくためのMUFG の取り組みの方向性を提示します。こうした取り組みが、持続可能な環境および社会の実現を後押しし、より望ましい成果をもたらすと期待しています。
また、本フレームワークについては、グループ各社のお客さまにも内容をお伝えし、ご理解とご協力を働きかけます。 - ガバナンス
MUFG は、経営活動を遂行するにあたっての指針として、MUFG Wayを定めています。また、MUFG Wayの実現のため、グループ各社の役職員の日々の行動に際しての具体的な判断や行動の基準として、行動規範を定めています。本フレームワークについても、MUFG Wayや行動規範を踏まえて制定しています。
- MUFG 環境・社会ポリシーフレームワークの位置付け
本フレームワークは、MUFG 環境方針およびMUFG 人権方針に基づき、環境・社会課題に対応する取り組みの一環として制定するものであり、事業活動に伴う環境・社会に対するリスクを適切に把握・管理するために構築しています。また、MUFG の企業価値を毀損することが無いよう評判リスク管理の枠組みと整合するように構築しています。 - ガバナンス・管理体制
MUFG では、経営会議の傘下にサステナビリティ委員会を設置し、環境・社会課題への対応を審議しています。
また、環境・社会に対するリスクまたは負の影響が大きく、MUFG の企業価値を毀損する可能性が高い個別案件については、評判リスク管理の観点から、必要に応じて、経営階層のマネジメントが参加する枠組みにおいて、対応を協議することとしています。 - 事業本部の役割
事業本部は、お客さまにご提供する商品・サービスが、環境・社会配慮の観点から問題がないかについて、お客さまへのヒアリング等を踏まえ、環境・社会デューデリジェンスを実施します。環境・社会デューデリジェンスの実施においては、環境・社会に対するリスクを管理する部署等へ相談します。 - MUFG 環境・社会ポリシーフレームワークの管理
本フレームワークは、サステナビリティ委員会にて審議され、経営会議で決定されました。
また、サステナビリティ委員会にて、定期的に見直し要否を審議するほか、事業活動の変化やビジネス環境の変化等に応じて、随時見直します。
- MUFG 環境・社会ポリシーフレームワークの位置付け
- 適用対象となる商品・サービス
MUFG は、グループ各社がお客さまにご提供する商品・サービスのうち、お客さまの事業を支援する与信と債券・株式引受(以下、ファイナンス)を通じて、事業に内在する環境・社会影響を発生させ、または環境・社会に対するリスクを拡大させる可能性があると認識しています。
本フレームワークは、MUFG の主要子会社である三菱UFJ 銀行、三菱UFJ 信託銀行、および三菱UFJ 証券ホールディングス(以下、主要子会社)の法人のお客さま向けの、全ての国・地域における新規のファイナンスに適用します。主要子会社は本フレームワークをそれぞれの業務に固有な社内の手続きと基準に組み入れます。
また三菱UFJ 銀行は、2005 年に採択した赤道原則(Equator Principles)に基づき、大規模プロジェクトの環境・社会デューデリジェンスを実施しています。
受託財産事業でも、アセットマネジメント事業の遂行を通じてもたらされる環境・社会影響への配慮について、その重要性を十分認識しています。同時に、お客さまの付託に応えるべく、受託者責任を全うすることが極めて重要な責務であると認識しています。このため、アセットマネジメント事業にかかる環境・社会課題に対する取り組みにつき、本枠組みとは別にポリシーを定めています。 - 適用対象となる事業
本フレームワークは、主要子会社がファイナンスを提供する法人のお客さまが、当該国の法令や国際的なプラクティスに基づき環境や社会へ適切な配慮を実施するなどの、社会的責任を果たしていることを確認させて頂くための指針です。
MUFG は、環境・社会に対するリスクまたは影響の性質や重大性に鑑み、「ファイナンスを禁止する事業」、および「ファイナンスに際して特に留意する事業」を定め、対応を明確化しました。- ファイナンスを禁止する事業
以下に該当する事業は、重大な環境・社会に対するリスクまたは負の影響を内包すると考えます。主要子会社は、これらの事業に対して、環境・社会に対するリスクまたは負の影響を認識した場合はファイナンスを実行しません。
A) 違法または違法目的の事業
B) 公序良俗に反する事業
C) ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業
D) ユネスコ指定世界遺産へ負の影響を与える事業
E) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)に違反する事業(注1)
(注1)各国の留保事項には十分配慮するものとします。
F) 児童労働・強制労働・人身取引を行っている事業
G)クラスター弾製造企業、非人道兵器製造事業
クラスター弾は、一般市民に甚大な影響を与えてきた兵器です。内蔵する複数の子弾が空中で広範囲に散布する爆弾であり、人道上の懸念が大きいと国際社会で認知されています。クラスター弾の非人道性を踏まえ、クラスター弾製造企業に対するファイナンスを禁止しています。
戦争・紛争において使用することを目的に製造され、一般市民も含めて、無差別かつ甚大な影響を与える核兵器、生物・化学兵器、対人地雷は、クラスター弾と同様に人道上の懸念が大きいと国際社会で認知されています。核兵器、生物・化学兵器、対人地雷の非人道性を踏まえ、これら非人道兵器の製造に対するファイナンスを禁止しています。
- ファイナンスに際して特に留意する事業
留意する事業に関する項目としては、セクター横断的な項目と特定セクターに係る項目があります。
以下の項目に該当する事業には、環境・社会に対するリスクまたは負の影響が存在する可能性が高く、お客さまによる適切な環境・社会配慮の実施が期待されます。主要子会社がそれらの事業に対してファイナンスの実行を検討する際には、環境・社会に対するリスクまたは影響を特定・評価するプロセスでお客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
お客さまの環境・社会配慮が、予想されるリスクまたは影響に比べて十分とは言えない場合には、ファイナンスを実行しません。
① セクター横断的な項目
A) 先住民族の地域社会へ負の影響を与える事業
B) 非自発的住民移転に繋がる土地収用を伴う事業
C) 保護価値の高い地域へ負の影響を与える事業
D) 紛争地域における人権侵害を引き起こす、または助長する事業、あるいは人権侵害と直接的に結びついている事業
②特定セクターに係る項目
A) 石炭火力発電
環境保護、とりわけ気候変動および持続可能なエネルギーへの取り組みは、MUFG に与えられた社会的使命の中でも最も重要なものの一つです。
パリ協定の合意事項達成のため、事業を通じて脱炭素社会へのスムーズな移行を支援し、環境と経済の好循環による持続可能な社会の実現に貢献します。石炭火力発電所の新設および既存発電設備の拡張にはファイナンスを実行しません。但し、パリ協定目標達成に必要な、CCUS(注2)、混焼等の技術を備えた石炭火力発電所は個別に検討する場合があります。
(注2)二酸化炭素回収・利用・貯留技術(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)
B)鉱業
a) 鉱業(全般)
鉱業は、様々な工業製品の原材料を供給しており、私たちの社会や日常生活に必要不可欠な産業です。加えて、再生可能エネルギー設備やバッテリー等の材料の供給を行っており、カーボンニュートラル実現に向けても重要な産業です。
同時に、鉱物の採掘事業(鉱物の採掘・選鉱やそれに伴う尾鉱の処理)に際しては、生態系や先住民族の地域社会への影響、児童労働・強制労働といった人権侵害など、環境・社会への影響を考慮する必要があることをMUFGは認識しています。
鉱業における採掘事業に対するファイナンスの実行を検討する際には、生態系や先住民族の地域社会への影響、人権への配慮といった、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
b)鉱業(石炭)
炭鉱開発は責任を持って管理されなければ、炭鉱落盤事故による死傷者の発生、人権侵害、炭鉱から排出される有害廃棄物による生態系への影響など、環境・社会に負の影響を及ぼすことをMUFGは認識しています。加えて、石炭は他のエネルギー資源に比べて、火力発電所などで燃焼される場合、多くの温室効果ガスを排出することも事実であり、発電事業向けに一般炭を供給する新規の炭鉱開発が、将来の温室効果ガス排出量増加につながる可能性があることをMUFGは認識しています。
炭鉱開発に対するファイナンスの実行を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。それには開発による生態系への影響とその対応や地域住民との関係、労働安全衛生への対応が含まれます。
以下の事業または企業にはファイナンスを提供しません。
・自然環境に対して重大な負の影響を与える山頂除去採掘(Mountain Top Removal, MTR)方式で行う石炭採掘事業
・発電事業向けの新規の一般炭採掘事業または既存の一般炭採掘の拡張事業・発電事業向けの一般炭採掘事業に紐付くインフラの新規開発または拡張事業
・発電事業向けの一般炭採掘事業またはそれに紐付くインフラ事業を主たる事業とする企業のうち、MUFGとファイナンス等の既存の取引が無い企業
但し、利用時の温室効果ガス排出の吸収等が確約されている案件や、環境保全に必要な案件は、個別に検討する場合があります。
C)石油・ガス
石油やガスは、電力をはじめとする社会インフラにおけるエネルギー源等として私たちの社会や日常生活に必要不可欠である一方で、温室効果ガスの排出を通じた気候変動への影響に配慮する必要があります。
a)オイルサンド
オイルサンドは、開発の過程における環境負荷の影響を考慮する必要があることをMUFGは認識しています。
新規のオイルサンドの採掘に対するファイナンスの実行を検討する際には、開発地域における生態系や先住民族の地域社会への影響等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
b)北極開発
北極とその周辺地域には、希少生物の生息地や先住民族への配慮等が必要な地域があることをMUFGは認識しています。
北極圏(北緯66度33分以北の地域)における新規の石油・ガスの採掘に対するファイナンスの実行を検討する際には、開発地域における生態系や先住民族の地域社会への影響等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
c)シェールオイル・ガス
シェールオイル・ガスには、開発時における水資源枯渇、水質汚染、地震誘発等の影響があることをMUFGは認識しています。
新規のシェールオイル・ガス開発に対するファイナンスの実行を検討する際には、開発地域における生態系や周辺の地域社会への影響等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
d)パイプライン
パイプラインには、敷設時および完工後において、オイル漏洩による生態系への影響、森林伐採などによる環境への影響、先住民族への配慮等の必要があることをMUFGは認識しています。
新規のパイプライン敷設に対するファイナンスの実行を検討する際には、開発地域における生態系や先住民族の地域社会への影響等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
D)大規模水力発電
大規模ダムは、社会インフラとして治水や農業生産に貢献し、また電力供給においても再生可能エネルギーとしてクリーンなエネルギーの供給に資する一方で、河川流域の生態系や住民の生活環境に広範囲に変化を及ぼす可能性があることをMUFGは認識しています。
新規の大規模水力発電所(注3)へのファイナンスの実行を検討する際には、ダム建設に伴う生態系、地域社会や住民の生活環境等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
(注3)ダム壁の高さが15メートル以上かつ出力30MW以上の新規の水力発電所のダム建設
E) バイオマス発電
バイオマス発電は、再生可能エネルギーとしてクリーンなエネルギーの供給に資する一方で、その燃料が生産、加工される過程での環境・社会への影響を考慮する必要があることをMUFGは認識しています。
バイオマス発電所や、バイオマス発電に使用する燃料の加工事業に対する新規のファイナンスの実行を検討する際には、燃料の食料との競合や、持続可能性、ライフサイクル温室効果ガス等、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
F) 森林
森林は、多様な野生動植物の生息地となることで、生物多様性の保全・保護に重要な価値を有するとともに、木材、紙、パルプなどの原産地として、地域経済を支える重要な存在です。また、森林が有する二酸化炭素の吸収・貯蔵機能を通じ、気候変動の緩和に重要な役割を果たしています。無秩序且つ大規模な森林破壊は、地球環境、とりわけ気候変動に対して重大な負の影響を及ぼすことをMUFG は認識しています。
森林セクターや紙パルプセクター等における植林地の経営を含む森林伐採事業に対するファイナンスの実行を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
違法な伐採や保護価値の高い地域における森林破壊(deforestation)が行われていないことを確認するとともに、高所得OECD 加盟国以外において上記の森林事業に対してファイナンスを実行する際には、お客さまに対し、国際的に認められている認証(FSC(Forest Stewardship Council)、PEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemes)等(注4))の取得を求めます。未取得の場合には、取得に係る行動計画の提出を求めます。
森林伐採を伴う大規模農園等(注5)の開発、操業に対するファイナンスの実行を検討する際には、先住民族等への「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC: Free, Prior and Informed Consent)の尊重や「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ」(NDPE: No Deforestation, No Peat and No Exploitation)等の環境・人権への配慮を定めた方針の策定を求めます。
なお、取引期間において、社会的課題に対して適切な対応がなされていない場合には、お客さまに対して改善に向けた対応を求め、改善策が不十分である場合は新規のファイナンスは実施しません。
お客さまのサプライチェーンにおいても、同様の取り組みがなされるよう、サプライチェーン管理の強化、ならびにトレーサビリティの向上を要請します。
(注4)FSC、PEFC 等の認証には、先住民族等への「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC: Free, Prior and Informed Consent)の尊重の考えが含まれると認識しています。
(注5)大規模農園等とは、1万ha以上を対象とし、大豆・天然ゴム・カカオ・コーヒー等を栽培する農園、及び放牧地をいいます。
G) パーム油
パーム油は、調理用油、洗剤、塗料などの日常生活に欠かせない製品を作るためにも使われます。また、パーム油の消費拡大が、多くの国々の経済的成長を促進した側面もあります。
一方、パーム油のプランテーションにおいて、自然林の伐採や泥炭地等での野焼きが行われる場合、生物多様性や気候変動への影響、更には地域社会との対立などを引き起こす可能性があります。
そのため、パーム油のプランテーション事業は、責任を持って管理されなければ、地球環境に対して重大な負の影響を及ぼすことをMUFG は認識しています。
パーム油のプランテーションの所有・経営事業に対するファイナンスの実行を検討する際には、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認します。
上記のパーム油事業に対してファイナンスを実行する際には、お客さまに対し、RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)への参加を促すとともに、RSPO の認証(注6)取得、「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ」(NDPE: No Deforestation, No Peat and No Exploitation)を遵守する旨の公表を求めます。RSPOの認証未取得やNDPEを遵守する旨を公表していない場合には、履行に向けた行動計画の提出を求めます。
お客さまのサプライチェーンにおいても同様の取り組みがなされるよう、サプライチェーン管理の強化、ならびにトレーサビリティの向上を要請します。
なお、取引期間において、社会的課題に対して適切な対応がなされていない場合には、お客さまに対して改善に向けた対応を求め、改善策が不十分である場合は新規のファイナンスは実施しません。
(注6)RSPO認証には、先住民族等への「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC: Free, Prior and Informed Consent)の尊重、「森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ」(NDPE: No Deforestation, No Peat and No Exploitation)の遵守の考えが含まれると認識しています。
- ファイナンスを禁止する事業
- 環境・社会に対するリスクまたは影響を特定・評価するプロセス
ファイナンスの対象となる事業の環境・社会に対するリスクまたは影響を特定し、評価するためのデューデリジェンスのプロセスを導入しています。
- 標準デューデリジェンス
標準デューデリジェンスは、お客さまと直接接点を持つ主要子会社の事業部門の法人担当部署が実施します。ファイナンスの対象である事業が、「ファイナンスを禁止する事業」と「ファイナンスに際して特に留意する事業」に該当するか否か、入手可能な公開情報や、お客さまからご提供頂く情報等に基づき判断します。 - 強化デューデリジェンス
「ファイナンスに際して特に留意する事業」に該当する場合、標準デューデリジェンスに加えて、必要に応じて主要子会社の環境・社会に対するリスクを管理する部署等が強化デューデリジェンスを実施します。強化デューデリジェンスの結果を十分考慮したうえで、ファイナンス実行の可否を決定します。 - 評判リスクに関する協議の枠組み
ファイナンス対象の事業が、MUFG の企業価値を大きく毀損する可能性があると判断される場合には、経営階層のマネジメントが参加する枠組みにおいて、当該ファイナンス案件への対応を協議します。
- 標準デューデリジェンス
- 社内研修等
- 社内研修・教育
世界的な環境・社会課題に対する取り組みや環境・社会配慮確認に関する理解を深め、本フレームワークの考え方やデューデリジェンス手続の浸透を目的として、主要子会社の事業部門の法人担当者等を対象とした研修を実施します。
環境・社会に対するリスクを管理する部署等の担当者には、本フレームワークの取り組みの高度化を目的とした専門的な研修を実施します。 - ステークホルダー・エンゲージメント
本フレームワークの運用は、様々なステークホルダーと建設的なコミュニケーションを図りながら進めます。こうした協働は、MUFG が対応すべき環境・社会に対するリスクまたは影響の適切な把握に寄与し、本フレームワークをより実効性の高い内容とするための見直しを検討する際の参考となります。
【免責文言】
本フレームワークの公表および運用開始により、MUFG またはグループ各社との間に何ら代理関係または契約関係が発生するものではなく、MUFG およびグループ各社は一切法的な義務や責任を負うものではありません。 - 社内研修・教育
三菱UFJ信託銀行、三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJ不動産投資顧問、Mitsubishi UFJ Asset Management (UK) 、三菱UFJオルタナティブインベストメンツは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)におけるアセットマネジメント会社として“MUFG Asset Management”(以下、MUFG AM)ブランドを形成しています。
今般、MUFG AMは、サステナブル投資を推進するための方針として「MUFG AMサステナブル投資ポリシー」(以下、本ポリシー)を制定いたしました。
- ESGインテグレーション
MUFG AMは、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)等に起因するリスクや機会を考慮した投資が、長期的なリスク・リターンを改善し、企業および社会を取り巻くESG課題の解決に寄与すると考え、財務情報だけでなく、ESG等の非財務情報の視点を投資プロセスに組み込むこと(ESGインテグレーション)を推進します。 - スチュワードシップ活動(エンゲージメント・議決権行使)
MUFG AMでは、ESGに関する高い専門性を有した人材とファンドマネジャーやアナリスト等が協働し、エンゲージメントと議決権行使を行います。MUFG AMは、投資先企業の長期的に顕在化しうるリスクの低減、持続的成長および企業価値向上の実現をはかり、運用資産の長期的なリスク・リターンの改善を目指します。また、サステナブルな未来の実現に向けた重大な課題の解決を促進します。 - エクスクルージョンおよびダイベストメント
MUFG AMは、投資先企業とのエンゲージメントを通じ、投資先企業にサステナブルな未来の実現に向けた変化を促すことができると考えております。サステナブルな未来の実現に反すると考えられる事業に関わる企業等については、原則として受託している全ての運用資産においてネガティブ・スクリーニングを実施します。ただし、お客さまからのガイドラインに基づく運用、外部委託運用およびパッシブ運用はこの限りではありません。 - 社会に変革を与える商品・サービスの開発・提供
MUFG AMは、SXを成し遂げていくためには、真にお客さまや市場のニーズを捉えた社会に変革を与える(トランスフォーマティブな)運用商品・サービスの提供が重要であると認識しており、運用戦略や運用手法の強化・開発やソリューションの提供に取り組みます。 - 解決すべき課題の特定
MUFG AMは、サステナブルな未来の実現を阻害し、長期的に運用資産への影響度が大きい課題について、優先して解決すべく取り組みます。特に、サステナブルな未来の実現のためには、気候変動問題への取り組みが不可欠であると考えています。このため、Net Zero Asset Managers initiativeに参画しカーボンニュートラルの実現に取り組んでいくことを表明しており、サステナブル投資を通じて脱炭素社会への移行(トランジション(注))を推進して参ります。2050年のカーボンニュートラルの達成、 脱炭素社会の実現に向けて、GHG(温室効果ガス)多排出産業が脱炭素化に移行するための取り組みも促進して参ります。
(注)再生可能エネルギー等の既に脱炭素化・低炭素化の水準にある活動・取り組みとあわせて、GHG(温室効果ガス)多排出産業が脱炭素化・低炭素化を進めていく移行の取り組みも指します。 - サステナブル投資ファンドの定義
サステナブル投資の更なる普及のため、本ポリシーに基づきMUFG AM各社が取り扱うサステナブル投資ファンドについて、各々定義を明確化いたします。
本ポリシーに定められたサステナブル投資にかかる取り組みは、原則、MUFG AMにて受託する全ての運用資産とアセットクラスに適用されます。
また、本ポリシーの見直しを定期的に行い、MUFG AM各社の事業活動および環境の変化に応じて改定します。
[免責条項]
本ポリシーの公表および運用開始により、MUFGまたはMUFG AM各社との間に何ら代理関係または契約関係が発生するものではなく、MUFGおよびMUFG AM各社は一切法的な義務や責任を負うものではありません。
MUFG人事プリンシプルは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)が、MUFG Wayに相応しい人的資本経営を実現するための基本的な考え方を示すものである。
本プリンシプルを通じて、国内外のMUFGグループ各社が業界をリードする人的資本経営を実践し、社員一人ひとりがMUFGで働くことを誇りに思える環境を提供することをめざす。
人的資本経営のめざす姿
社員一人ひとりが活き活きと活躍し、社会・お客さまに貢献するグローバル金融グループ
人事の役割・使命・社員へ提供する価値
MUFGは、信頼のグローバル金融グループとして、その特徴を最大限活かし、社員一人ひとりが活き活きと活躍できる職場環境を提供する。
心身の健康とDEI(ダイバーシティ・エクイティ & インクルージョン)の浸透を通じて社員が最大限の能力を発揮することを支援するとともに、全世界の社員がプロフェッショナルとして成長、活躍できる職場環境を提供することで、社員のウェルビーイング(幸せ)、即ち中長期な人生の充実を実現する。
人事運営における基本理念
MUFGは、MUFG Wayに相応しい人的資本経営を実現するために、以下の基本理念に基づいて、人事運営を行う。
(共通の価値観としてのDEI)
多様な属性や価値観を持つ社員一人ひとりが公平・公正な成長機会を得ながら自身の能力を最大限に発揮できる組織・職場環境づくりを行う。また社員一人ひとりが互いの違いや持ち味を認め合い、高め合うことができる職場環境を提供することで、新しいアイデアや価値の創造を実現する。
(採用)
MUFGで働きたいと思われるよう社内外における企業ブランドや地位を維持・強化しながら、MUFG Wayに共感し体現者となり得る多様な人材を、グローバルに採用する。
(評価)
短期的な業績成果のみならず、MUFG Wayを体現する言動を踏まえた、総合的かつ公正・公平な評価を実施する。また人材育成の観点から、各人に対する評価と課題のフィードバックを徹底する。
(報酬)
社員の成果や頑張り、並びに会社の持続的な成長への貢献等を総合的に勘案した上で、公正に報いていく。報酬水準は、経営環境や、経済・社会情勢、市場水準等を踏まえ決定する。
(登用)
社員が持てる力を最大限発揮できるように、各人のキャリアに対する希望や能力・適性に応じた活躍機会を提供するとともに、MUFG Wayを体現しMUFGの発展に不可欠なリーダー・経営層の育成に資する登用を実行する。
(育成)
社員一人ひとりが知識や専門性のみならず、見識や倫理観を高められる教育機会を提供し、社員の自律的キャリア形成を支援すると同時に、MUFG Wayを体現できる多様なプロフェッショナル人材を育成する。
MUFGは、以下の考え方に沿って購買活動を実施しています。
<購買活動に関する考え方>
- サプライヤーの公平・公正な選定と取り扱い
経済的合理性や<サプライヤーへの協力要請>で記載の事項等への取り組みを踏まえ、公平・公正にサプライヤーを決定します。特定のサプライヤーに正当な理由なく特別な待遇を与えたり、不当に不利益を課したりしません。 - 法令・社会規範の遵守
購買活動にあたり、関連するすべての法令、社会規範を遵守し、高い倫理観に基づき行動します。 - 機密情報の厳守
購買活動を通じて知り得た、サプライヤーの機密情報は厳格に管理します。 - 環境への配慮・人権の尊重
購買活動において、地球温暖化防止、生物多様性保全等の環境配慮や人権の尊重を重視します。 - サプライヤーとのパートナーシップの維持
すべてのサプライヤーをパートナーとして尊重し、対等かつ誠実な対応により信頼・協力関係の維持に努めます。優越的な地位を盾に、不当な利益を要求したり、受けたりはしません。
- MUFGはサプライヤーに対し、以下の内容を考慮した公正かつ健全な企業活動を求めます。
- 事業活動やサプライチェーンにおいて、児童労働、強制労働、人身取引に関与しないための十分な配慮
- 従業員への安全で適切な労働環境・条件の提供
- 賃金および労働時間に関し適用される法令の遵守
- 法令に基づく結社の自由や団体交渉権の尊重
- 差別・ハラスメントの防止
- 法令や社会規範を遵守した、公正かつ健全な企業活動の遂行
- 反社会的勢力に対する、取引関係を含めた、一切の関係の遮断
- 資源やエネルギーの使用の抑制
- 低炭素・脱炭素エネルギーの使用や温室効果ガスの削減
- 廃棄物の削減、資源の有効活用
- 環境や人に影響を与える物質の使用や排出の抑制
- 森林などの天然資源の持続可能な利用
- 生物多様性や生態系への影響配慮
- 個人情報の保護に関する法律および関係法令に基づく、情報の適切な保護および管理
2015年に英国で施行された現代奴隷法および2018年に豪州で施行された現代奴隷法により、MUFGグループ傘下の対象企業は自社の事業およびサプライヤーにおける労働力搾取および人身取引防止の取り組みに関して声明を以下の通り公表しています。
全国銀行協会の正会員である三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行は、クラスター弾製造を資金使途とする与信を禁止してきましたが、クラスター弾の非人道性を踏まえ、2017年12月以降、資金使途に関わらず、クラスター弾を製造する企業に対する与信を禁止しています。
- 経営課題しての認識
お客さまの大切な資産を守ること、ならびに金融サービスを安全かつ安定的に稼働させることは MUFGの社会的責務であるとの認識のもと、サイバー攻撃等に関するリスクをMUFGのトップリスクの1つとして位置づけ、経営会議・取締役会等での議論・検証のもと、経営レベルでリスク対策を推進します。
- 経営方針の策定と意思表明
具体的には、サイバーセキュリティに関する経営方針に基づき、リスクの特定や防御の取り組みに加え、検知・対応・復旧をリードする専担ライン(MUFG-CERT)の設置、手続・マニュアルの整備、定期的な演習・訓練を通じたインシデント対応能力の強化、コンティンジェンシープランの整備を実施します。また、ディスクロージャー誌等を通じてセキュリティ強化の取り組みについて開示します。
- 社内外体制の構築・対策の実施
具体的には、サイバーセキュリティに係る専担組織を置き、必要な予算・人員等のリソースを確保いたします。セキュリティ教育プログラム等を整備し人材育成を図ると共に、金融ISAC※1との協働活動等を通じ広く業界内にノウハウを共有します。先進技術を活用したセキュリティ対策の実施に努めます。また、クラウドサービス等の委託先や海外も含めたサイバーセキュリティ対策状況のモニタリングを通じてサプライチェーン対策を実施します。
- 対策を講じたシステムやサービスの社会への普及
例えば、インターネットバンキング等のサービスを安心・安全にご利用いただくために、ワンタイムパスワードカード及びスマートフォンアプリを配布するなど、お客さまにおいてご利用可能なセキュリティ対策を充実させるとともに、不正な取引のモニタリングを実施します。新たなシステムやサービスの開発時には安全なセキュリティ対策を実施し、お客さまが使いやすく安心してご利用いただけるサービスの提供に努めます。
- 安心・安全なエコシステムの構築への貢献
具体的には、金融庁、内閣サイバーセキュリティセンター、情報処理推進機構、警察などの関係省庁等と適時適切な連携を行うと共に、金融ISAC※1、FS-ISAC※1のほか、ICT-ISAC※2等も含めた国内外のクロスセクターとの情報共有と活用を推進し、グローバルベースで社会全体のサイバーセキュリティの向上に貢献します。
※1 金融ISAC、FS-ISAC
金融機関を会員とするセキュリティ関連情報及び分析結果の共有を目的とする会員制組織。金融ISACは日本で業を行う金融機関を対象とし、FS-ISACは米国を対象とするもの、三菱UFJフィナンシャル・グループも加盟。
※2 ICT-ISAC
ネットワークのセキュリティ確保を目的とした通信事業者や放送事業者などの一般企業を対象とした社団法人。三菱UFJフィナンシャル・グループは、クロスセクターとして協業。
ガバナンス(Governance)
第1章 利益相反
- 利益相反
利益相反とは、お客さまの利益と当グループの利益、又は当グループが義務を負っている複数のお客さま間の利益が、競合・対立する状況等をいいます。
こうした利益相反は金融コングロマリット化の進展や多種多様な金融取引によって日常的に生じておりますが、当グループ内の利益相反による弊害を防止するため、適切な経営管理態勢やコンプライアンス態勢を構築してまいります。
第2章 銀行法及び金融商品取引法等に基づく利益相反管理
- 利益相反による弊害のおそれがある取引等の特定
- 当グループがお客さまへ助言業務を提供している場合等、お客さまが自身の利益が優先されると合理的な期待を抱かれる状況
- 当グループがお客さまとの取引で得た情報を利用することにより、市場等で不当に利益を上げるおそれが高い状況
- 当グループとお客さまとの取引に伴い、レピュテーショナル・リスクが生じるおそれの高い状況
M&Aに関する業務 資産・債権流動化に関する業務 シンジケートローンに関する業務 プリンシパルインベストメントに関する業務 株式・債券引受に関する業務 社債管理に関する業務
- 利益相反管理の対応を要する会社
株式会社三菱UFJ銀行 三菱UFJ信託銀行株式会社 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 auカブコム証券株式会社 株式会社中京銀行
- 利益相反の管理体制
また、利益相反の管理に関する法令その他の規範を遵守し、態勢整備を継続的に行ってまいります。
- 利益相反の管理方法
- 利益相反による弊害のおそれのある取引を行う部門(会社)を他の部門(会社)から分離する方法
- 利益相反による弊害のおそれのある取引の一方又は双方の条件又は方法を変更する方法
- 利益相反による弊害のおそれのある取引の一方を中止する方法
- 利益相反による弊害のおそれがあることをお客さまに開示する方法
第3章 MUFGフィデューシャリー・デューティー基本方針に基づく利益相反管理
- お客さまの資産形成に資する商品選定および販売手続き等の整備
- 運用業務における独立性・透明性の確保
株式会社三菱UFJ銀行 三菱UFJ信託銀行株式会社 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券株式会社 auカブコム証券株式会社 三菱UFJ国際投信株式会社 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 エム・ユー投資顧問株式会社
- 組織としての対応
- 外部専門機関との連携
- 取引を含めた一切の関係遮断
- 有事における民事と刑事の法的対応
- 裏取引や資金提供の禁止
反社会的勢力への資金提供は絶対に行いません。
- 目的
- 基本的な考え方
- 法令・規則の遵守
MUFGグループは、金融商品取引法、会社法、銀行法その他の関係法令およびMUFGグループの有価証券を上場している国内外の証券取引所その他の監督当局の規則等(以下「法令等」と総称します。)を遵守し、適時・正確・適切な情報開示を行います。 - 開示の透明性・わかりやすさ
MUFGグループは、開示の透明性を確保するとともに、継続性・一貫性などにも配慮しながら、ステークホルダーの皆さまにとってわかりやすい情報開示を行うよう努めます。さらに、法令等により義務付けられている情報開示にとどまらず、MUFGグループに対する理解を深めていただくために重要または有益と判断される情報については、自発的に開示します。 - 開示の公平性・公正性
MUFGグループは、重要情報(注1)に関しては、適時・適切なタイミングにおいて、すべてのステークホルダーの皆さまに公平・公正かつ適切に開示するよう努めます。 - ステークホルダーの皆さまとの建設的な対話
MUFGグループは、ステークホルダーの皆さまとの建設的な対話を通じて、MUFGグループに対する理解を深めていただくとともに、ステークホルダーの皆さまの関心事項等を踏まえた適切な対応を行い、かかるステークホルダーの皆さまとの対話を通じて得た知見をMUFGグループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上に活かすように努めます。
法令等に基づき開示が義務付けられている情報および公表前の確定的な決算情報(年度または四半期の決算に係る確定的な財務情報)であって当社の有価証券の価格に重要な影響を与える情報を「重要情報」とします。
- MUFGグループの情報開示
- 統合報告書、アニュアルレポート、MUFG通信等の発行
- 個人投資家、アナリスト・機関投資家、海外投資家向けに開催する定期説明会におけるコミュニケ―ション
- ステークホルダーの皆さまからの要請に応じた個別(ワン・オン・ワン)の対話も適宜行うことがあります。
- 重要情報の開示に係る社内手続と体制
当社は、取締役会から権限委譲を受けた経営会議が定めた「適時開示規程」に基づき、重要情報に係る情報開示を行っています。情報開示の是非、情報開示時期および内容は、当該情報を所管する部署、ならびに総務部、コーポレート・コミュニケーション部広報室および財務企画部が、協議により決定します。総務部は、原則として6ヶ月ごとに、経営会議傘下の情報開示委員会に対し、適時開示規程の内容・改正および運用状況、情報開示された内容・時期および方法、ならびに開示を行わなかった情報および非開示の理由を報告します。当社の子会社等の情報については、当社の直接出資子会社の報告担当部署を通して総務部に報告されます。なお、直ちに経営会議に報告することが適切と判断するときは、情報開示委員会への報告に先立ってまたはこれと同時に経営会議に直接当該事項を報告します。
また、情報開示委員会は、グループCEO(Chief Executive Officer)またはグループCFO(Chief Financial Officer)の宣誓を要する報告書、ならびに財務報告に係る内部統制等に関して経営者が作成する報告書について、開示情報の記載内容の適正性、情報開示および財務報告の内部統制・手続きの有効性について審議します。情報開示委員会で審議された重要事項は、随時、取締役会または経営会議に付議または報告されます。
- 情報開示の方法
当社は、情報開示にあたっては、ウェブサイトの活用などにより、国内のみならず、海外の市場にも十分に配慮しながら、英文での開示も含め、公平・公正かつ適切に情報を開示するよう努めます。
- 資本市場参加者に対する情報開示
- 資本市場参加者との対話
当社は、MUFGグループの戦略や企業価値への理解を深めるための統合報告書の発行等に加え、説明会や面談等の様々な機会を活用しながら、資本市場参加者の皆さまとの建設的な対話を行います。また、資本市場参加者からの質問等への回答に差が生じないよう、対話を行う者は、資本市場参加者から頻繁に聞かれる財務情報等への回答・説明方針を共有するよう努めます。 - 選択的開示に関する考え方
投資家との個別ミーティングや小規模ミーティングは、MUFGグループについての適切な理解を促進するために行われるものであり、これらのミーティングにおいては、重要情報を一部の投資家のみを選別して、選択的開示を行わないものとします。未公表の重要情報を取引関係者等(注2)へ伝達する場合には、原則として、伝達と同時に当社ウェブサイトにて当該重要情報を公表する等、公平・公正かつ適切な情報開示に努めます。
なお、取引関係者が当社との契約または法令に基づく守秘義務および当社の有価証券に係る売買等を行わない義務を負う者である場合等においては、状況に応じて、当該重要情報の公表を差し控える場合があります。
取引関係者とは、情報受領者として(1)金融商品取引業者、登録金融機関、信用格付業者若しくは投資法人その他の内閣府令で定める者またはこれらの役員等および(2)当該上場会 社等の投資者に対する広報に係る業務に関して重要情報の伝達を受け、当該重要情報に基づく投資判断に基づいて当該上場会社等の上場有価証券等に係る売買等を行う蓋然性の高い者として内閣府令で定める者をいいます。
MUFGは、MUFG税務ポリシーを定め、以下の通り公表しています。