MUFG人権レポート2023の発行
人権尊重に関するMUFGとしての考え方や活動内容を、国連指導原則報告フレームワークに基いて整理し、人権レポートとして発行しています。
詳細はMUFG人権レポート2023をご覧ください。
金融機関にとっての人権尊重
人権方針/人権尊重の推進体制
人権尊重に関する方針・規程
全ての活動の指針である「MUFG Way」において「世界が進むチカラになる。」を存在意義と定め、社会、お客さまをはじめとする全てのステークホルダーの課題解決に取り組んでいます。MUFG人権方針は、MUFG Wayのもとに定めている「MUFGグループ行動規範」を踏まえ、事業活動において人権の尊重に取り組んでいくことを誓っています。MUFG人権方針のもと、各種ガイドライン・方針や規程を定め、人権尊重に取り組んでいます。
人権方針の周知および人権啓発活動
社員に対して
行動規範を通じた周知・意識醸成
人権啓発活動
銀行・信託・証券では下表で示した人権啓発推進体制を構築し、研修等の啓発活動を行うとともに、各部室店に配置された推進員や啓発活動の責任者が、MUFGグループ全体での人権の尊重への取り組みを推進・展開しています。新人研修や各層別研修等で、全ての社員に対し人権啓発研修を実施する等により、社員一人ひとりが人権方針や人権問題に対する正しい理解と認識を深めることに努めています。
三菱UFJ銀行 | 三菱UFJ信託銀行 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | |
---|---|---|---|
啓発活動 |
|
|
|
研修対象 |
|
全社員 | 全社員 |
研修受講 (2022年度) |
約32,000人 | 約7,000人 | 約5,000 人 |
投融資先に対して
サプライヤーに対して
- 銀行:継続的な取引のあるサプライヤー、信託・証券:主要サプライヤー
人権尊重の推進体制
外部有識者とのダイアログ
参加者
外部有識者
- 田中 竜介 氏(ILO駐日事務所プログラムオフィサー)
- 佐藤 暁子 氏(UNDPビジネスと人権リエゾンオフィサー)
- 湯川 雄介 氏(西村あさひ法律事務所パートナー)
MUFG(抜粋)
CEO 銀行頭取 信託社長 証券社長 CFO CLO CCO
CSO CRO CHRO CSuO 各事業本部長等
主要アジェンダ
- ビジネスと人権が注目される背景
- 金融機関に求められる役割
- 法制化の進展とその影響
- 金融機関に対する市民社会の期待
- 金融機関における人権デューデリジェンス
- 今後取り組むべき重要テーマ(気候変動と人権、紛争地域における人権デューデリジェンス強化)
人権デューデリジェンスへの取り組み
人権課題の特定と評価方法
人権課題マップ
負の影響の防止・軽減
社員に対する取り組み
● 差別・ハラスメント防止について
MUFGでは、基本的人権の尊重を経営の重要課題と認識し、行動規範、コンプライアンスマニュアル等を定めています。また、各社内にセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント等の相談窓口を設け、面談や電話、メール等さまざまな手段を通じて相談に対応し、明るく働きやすい職場づくりに取り組んでいます。
銀行ではハラスメント防止マニュアルを制定し、注意点や発生時の対応、ハラスメントの類型等を提示して、社員一人ひとりの正しい理解と認識を深めることに努めています。さらに、ハラスメント防止のために継続的な研修を実施しています。
● 結社の自由・団体交渉権の尊重について
MUFGでは、人権方針に則り、労働者の結社の自由・団体交渉の権利の尊重に取り組んでおり、啓発活動を通じて、その遵守を徹底しています。銀行・信託・証券においては、各社で社員組合が組織され、会社と組合がお互いの立場や考えを尊重しながら、さまざまなテーマについて定期的に協議しています。
● 健康経営の取り組み
社会、お客さまをはじめとする、ステークホルダーの課題に向き合い、その解決に取り組むためには、社員の心身の健康が何よりも重要と考えます。銀行・信託・証券の各社は、それぞれ「健康経営宣言」を行い、経営ミッションの一つとして、健康経営の推進に取り組んでいます。グループ各社の産業医や産業保健スタッフ・健康保険組合等が連携し、健康診断、ストレスチェック、各種健康相談等を通じ、社員の心身の健康管理に取り組んでいます。
● DEIの推進
MUFGでは、ジェンダー、障がい、国籍、人種、年齢、性的指向等に基づく差別のない、一人ひとりが自身の能力を最大限発揮し、十分な成長機会が与えられる組織づくりに取り組んでいます。
お客さまに対する取り組み
● 個人情報保護に向けた取り組み
MUFGでは、お客さまの情報を適切に取り扱うことが社会的責務であると認識し、「個人情報保護方針」を定め公表しています。また、グループ各社で統一的な管理体制を実現するため、「MUFG 個人情報保護規則」を制定し、これに基づき各社にて「個人情報保護手続」等を定めています。各社関係規程類にて組織的・人的・技術的・物理的な安全管理措置の管理方法を明確化するとともに、社員に対し定期的な教育・研修を行っています。変化し続ける外部環境を把握し、関係規程類や研修内容も継続的に見直しを行いながら、情報管理体制の継続的な強化を図り、お客さまのプライバシーの保護・尊重に努めています。社内での情報管理に加え、外部委託先に対しても個人情報保護法等に沿って情報管理がなされているか、チェックする体制を整備しています。
● 商品・サービスの企画・開発や広告物発行における人権影響の確認
グループ各社では、「お客さま視点」から商品・サービスの企画・開発段階で十分な対策がとれているかを常にチェックしており、新商品・新サービスについては、お客さま保護やお客さま視点を含むリスク評価を実施しています。広告物の発行時には、人権尊重の観点から問題となる表現がないかを確認しています。ダイバーシティに十分に配慮し、インクルーシブな表現となるように努めています。
● グローバル金融犯罪対策について
MUFGは、金融システムの健全性の維持に努めており、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与、経済制裁違反、贈収賄・汚職等のグローバル金融犯罪の防止に取り組んでいます。人権侵害を含む犯罪行為や非人道的行為等のグローバル金融犯罪リスクを特定、評価し、当該リスクへの対策を講じるとともに、リスク管理のフレームワークを構築し、グローバル金融犯罪の防止や法令遵守に取り組んでいます。
また、全てのお客さまが安心してご利用いただけるよう、あらゆるお客さまに配慮した接客・応対(ホスピタリティ)、安全・安心な店舗づくり(ファシリティ)等、ハード面・ソフト面におけるユニバーサルデザインの導入に取り組んでいます。
● 金融サービスへの平等なアクセス確保の取り組み
アジア圏では、遠隔地や農村部において銀行の支店・ATMが少ない、金融リテラシーが低く利用可能なサービスの存在・利用方法を知らない、といった問題があり、金融サービスへの平等なアクセス確保が課題となっています。MUFGは、Grab社やDMI Finance社、Akulaku社への出資・提携や、金融経済教育を通じ、アジア圏における金融サービスへの平等なアクセス確保の実現に貢献しています。
投融資先に対する取り組み
MUFG環境・社会ポリシーフレームワークで指定する禁止事業(児童労働・強制労働・人身取引)における取り組み
新規案件検討時 |
・取引拠点にて、入手可能な公開情報や投融資先からご提供いただく情報、外部ベンダーデータ(注1)等に基づき、投融資先における深刻度の高い人権課題(注2)の有無を確認し、禁止事業への該当有無を判断 ・投融資先における深刻度の高い人権課題(注2)を検知した場合、発生事象や投融資先の対応状況を確認(注3) ・児童労働・強制労働・人身取引が確認された場合はファイナンスを実行しない |
---|---|
期中管理 |
・外部ベンダーデータを利用し、投融資先における深刻度の高い人権課題(注2)の有無を定期的にスクリーニング ・外部ベンダーデータや外部からの指摘等で、投融資先における深刻度の高い人権課題を検知した場合、発生事象や投融資先の対応状況を確認(注3) ・児童労働・強制労働・人身取引が確認された場合は、是正と再発防止を求める ・対応がなされない場合、取引継続について慎重に検討 |
- 国連グローバル・コンパクトの10原則への違反状況が分かる外部データ等を参照
- 児童労働・強制労働・人身取引に係る人権課題
- 拠点にて確認を実施。必要に応じて本部部署(銀行の場合、サステナビリティ企画室・ソリューションプロダクツ部 環境社会リスク管理Gr)と協議
サプライヤーに対する取り組み
リスクの特定・評価 | |
---|---|
新規先 |
|
既存先 |
|
リスクを検知した際の対応 | |
---|---|
情報確認 |
|
対応時の検討 | 新規取引開始時
既存サプライヤー
|
- 銀行・信託で実施
- 銀行の欧州拠点・米州拠点等で実施
- 銀行・信託・証券の主要サプライヤー
ステークホルダーコミュニケーション
グリーバンス/救済への取り組み
社員に対する取り組み
MUFGコンプライアンス・ヘルプライン |
|
---|---|
社員の相談窓口 |
|
ダイバーシティ関連相談窓口 |
|
お客さまに対する取り組み
MUFGでは、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまからの人権課題を含むご意見・苦情に適切に対応するための体制を構築しています。グループ各社の社員、あるいは提供する商品・サービスが、人権への負の影響を引き起こしていたり、助長していたり、直接関係したりしていることが明らかになった場合、その救済に取り組みます。2022年度に、グループ5 社(注1)のお客さまから寄せられたご意見・ご要望を踏まえ、サービスを改善した事例は214件ありました。
ご意見・苦情への対応フロー(注2)
- 銀行・信託・証券・ニコス・アコム
- 銀行の例
- フィデューシャリー・デューティー