新しい金融サービス創出への挑戦を通じて、アジアが、そして世界が進むチカラになる。
新事業創出への挑戦~Grab社との協業~
新しい金融サービスへの挑戦の始まりとして、MUFGは2020年2月に東南アジアにおけるスーパーアプリ事業者大手Grab社と戦略的提携を締結しました。Grab社が有する先進的なテクノロジー・膨大なデータ・顧客接点とMUFGおよびパートナーバンクの金融知見・ノウハウ・人材を掛け合わせることで、東南アジアにおいて新たな金融商品の開発・提供を進めています。
例えば、タイにおけるMUFGのパートナーバンク、クルンシィ(アユタヤ銀行)とGrab社は、2020年秋からGrab社のドライバーとフード加盟店向けに小口ローンを提供しています。クルンシィは、Grab社と協働することで、Grab社のビジネスパートナーである個人ドライバーの稼働状況やフード加盟店の注文状況、それによって得た収入等、多種多様なデータを基に独自のスコアリングが可能となり、これまで銀行サービスを十分にお届けできていなかった顧客層に新たな金融サービスを提供することに成功しました。本件はGrabアプリ上、数タップで申込から借入までが完結するシームレスな仕組みで、コロナ禍で資金繰りに苦労していたドライバーや加盟店の資金需要にお応えすることができました。
2022年10月には第三弾として、新たにGrabアプリユーザー向けに、ローンの提供を本格的に開始しました。クルンシィでは、Grab社のようなプラットフォーマーとの協働実績により、他のデジタルプラットフォーマーとの協働案件が始まるなどポジティブな波及効果も出てきています。
さらにインドネシアでは、同国のパートナーバンクであるバンクダナモンとGrab社が、ミレニアル・Z世代を対象とした共同ブランドのクレジットカードを2021年11月より本格的に展開。現在までに1万枚以上のカードを発行してきました。よりデジタルでシームレスな申込プロセスの実現にむけ、Grab社と継続的に協議しています。
戦略的出資を通じた新たなシナジー創出への挑戦
MUFGはスタートアップの技術や知見をMUFGのサービスに活用することを目的に、スタートアップへの出資やアライアンスに積極的に取り組んできました。こうした取り組みを強化するため、2019年に三菱UFJイノベーション・パートナーズ(MUIP)を設立。ファンドを立ち上げ、幅広い領域のスタートアップへ出資しています。
MUIPの出資先はアジアを拠点とする企業が多く、すでに協業に成果が出ています。例えば、2020年9月にイスラエルのスタートアップLiquidity Capital社と合弁会社Mars Growth Capitalをシンガポールに設立しました。AI技術を活用した新たな与信モデルを用いて、アジアを中心とした海外のスタートアップへファイナンスを行っています。Mars Growth Capitalでは現在ミドルステージのスタートアップ企業を主な対象とする1号ファンドとプレユニコーン・ユニコーン企業を対象とする2号ファンドの計750百万米ドルを運用しています。融資先はすでに30社となり、今後のさらなる事業拡大および新たな事業展開を検討中です。
また、インドでは近年、デジタル技術や知⾒を活⽤したスタートアップが⼤幅に増加しています。三菱UFJ銀⾏は、インド国内のスタートアップを対象にした総額300百万⽶ドルの投資枠である「MUFGガネーシャファンド」を2022年3月に設定しました。 成長著しいインドにおけるスタートアップの成長をファイナンス面で支援することで、新産業の育成および地域社会の持続的な発展に貢献します。
さらに、2022年12月にはインドネシアを中心に東南アジアでデジタル金融サービスを提供するフィンテック事業者Akulaku社への出資を決定。Akulaku社は、E-Commerceや加盟店でのお客さまの購買行動に紐づいたBuy Now Pay Laterなどのデジタル金融サービスを提供しています。同社への出資を通じて、オンラインでの購買における個人のお客さまの金融ニーズの取り込みを強化していきます。MUFGは、インドネシアをはじめとする東南アジアでのさまざまな金融ニーズに対し、幅広いアプローチを行える体制を整え、アジアの成長に貢献していきます。
MUFGは、こうした取り組みを通して、全ての人が金融サービスにアクセスし利用できる世界をめざしています。今後もより多くのお客さまに新たな金融サービスを届けるべく、さらなるファイナンシャル・インクルージョンに貢献していきます。